媽祖廟

横浜市中区山下町136(平成19年1月28日)

横濱中華街、朱雀門と朝陽門とをむすぶ南門シルクロードに面して鎮座しております。

司馬遼太郎の台湾紀行の中で老台北が云うには「この台湾は三人の女神様に護られています。観音様、まりあ様、媽祖様です。」と紹介されています。この媽祖様、実在の人だったようです。宋の太祖の建隆元年(960)3月23日に生まれ、一ヶ月たっても泣き声をあげないので、「林黙娘」とよばれた。この「林黙娘」が嵋山の山頂で、仙人に誘われ神となったという。中国人も人間と神は断絶していないようです。

歴代の皇帝からも媽祖は信奉され、元世祖の代(1281年)には護國明著天妃に、清代康熙23年(1684年)には天后に封じられた。だから「天后宮」。

媽祖信仰は福建省・広東省の商人が活動した沿海部一帯から、東北の瀋陽や、華北の天津、煙台、青島をはじめとする多くの港町に広まっていったようです。中でも香港の赤柱の天后廟、マカオの媽閣廟は有名で、観光名所ともなっている。因みに、マカオの地名の由来は、この媽閣廟(マーコッミウ)を、聞いたポルトガル人が地名と思ったことによると言われている。

訪れたのが日曜日のせいか、大勢の人が参拝していました。

当然乍ら、中国風な狛犬。

順風耳と千里眼とは、もともと悪神であったが、媽祖によって調伏され改心し、以降媽祖の随神となった。

2003年、この地に、マンション建設の話が持ち上がった。当然反対運動が起こる。よく「何々マンション建設反対」と書かれたビラを見る。しかしあまり成功例を聞かない。流石中国人、現実的で結束が固い。反対運動などせず、その土地を買い取って、この媽祖廟を建立したと云う。

由緒書きはこちら。横濱媽祖廟の公式サイトはこちら。