佐奈田霊社

小田原市石橋山(平成18年11月11日)

 この霊社は石橋漁港の国道135号線旧道入口に案内がありますから、それに従って東海道本線を乗っ越し急坂を上がっていくと左手に鎮座しています。といっても、地図には佐奈田神社とありますが、実際は明治の神仏分離時にお寺色が濃くなったようです。境内に入り、まず目にはいるのが何基も建っている、江戸消防記念会、鳶職の方々等が木遣を歌うために奉納された木遣塚です。ここはのど(声)・せき・気管支炎・ぜんそくに悩む人々を救う慈悲の誓願があると言われている関係で、あの張りのある声が命の木遣節を詠う方々が団体でお詣りに来られるそうです。
 案内には「1192年に鎌倉幕府を開き、初めて武士による政治を行った源頼朝は、1180年に石橋山で挙兵し、平家に戦いをいどみました。所謂石橋山の戦いといわれますが、この時平家には、頼朝軍の10倍の兵がおり、頼朝の味方だった三浦氏が悪天候のために酒匂川を渡って助けに来ることができず、頼朝はこの戦いに敗れてしましました。頼朝は箱根へ逃げ、真鶴から房総半島へ船で逃げました。この石橋山の戦いで、頼朝の家来だった佐奈田与一は、平家方の俣野景五郎と一騎打ちをしましたが、刀に血がついていたために刀が抜けず、背後から首を切られ殺されてしまいました。後に討ち死の地に与一塚が建てられ与一を御祭神とする佐奈田霊社が祀られました。1190年には源頼朝が与一の墓参りに石橋山を訪れています。
 石橋から米神にかけてのこの付近には、石橋山古戦場として、ねじり畑や与一塚、文三堂など、関係する史跡があります。」とあります。

旧参道入口近くに建つ「ねじり畑」の案内 旧参道入口からは階段が続きます
境内への最後の登り 境内入口では子宝祈願に御利益のある
という狛犬がお出迎えしてくれます。
大正8年生まれの阿吽共に子連れの江戸狛犬。
多少頬が膨らみすぎのきらいはありますが、逞しく優しげな親の顔を持つ狛犬です。
阿は授乳している様にも見えます。
(大正8年建立)
本堂 本堂内の様子
本堂の木鼻狛犬。随分顔を傾け、少し惚けた感じがします。
観音堂
観音堂の挙鼻は琴を弾く観音様?とそれに聞き入る龍でしょうか。
観音堂の木鼻狛犬。秀でたおでこと、迫力のある顔つきの狛犬です。
駐車場からの社号標と入口の様子
こちらに案内板などもあり、現在はこちらからの参拝客の方が多いのではないでしょうか。

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