南方神社

南九州市川辺町小野85-9(平成22年1月5日)

東経130度24分27.28秒、北緯31度22分33.33秒に鎮座。

 この神社は小野公民館の南西に鎮座しています。この神社は地図に記載が無く、27号線を走っていたら、一面の水田地帯の中にポッカリと鎮守の杜があり鳥居も見えたので、「見えるところに神社があるなら行かなくちゃぁ。」と考えたのですが、入口が分からず、ずっと遠くから回り道をして辿り着きました。でも苦労して辿り着いた甲斐はありました。ここには狛犬が二対も居たのです。それも狛犬としては珍しい「市指定有形文化財の狛犬」としてです。やはり狛犬は現地で丹念に探せばいるものなのですね〜。
 さて、神社の入口には何故か鳥居が二基、横に並んで立っています。一般で言うところの一の鳥居・二の鳥居とは置き方が異なります。「何故だろう?」と不思議に思いながら境内にはいると、「神社の由来」に、元来諏訪神社は「上下大明神として上宮と下宮の二つがセットで、この社のように鳥居・社殿が二つあるのが正しい祀り方」なのだそうです。又一つ、知識が増えました。
 森の木々は境内周囲に有り、境内中央は明るく広々としています。その中央奥に拝殿が建ち、確かに朱の本殿は二棟建立されていました。そして境内左右には「日清戦役祈念碑と市指定有形文化財の狛犬」と「日露戦役祈念碑と市指定有形文化財の狛犬」がこれまた対のように置かれています。狛犬の方がずっと古い訳ですから以前は本殿をお護りしていたのでしょう、年代の割にはとても保存状態の良い狛犬でした。

 御祭神:建御名方命
 祭礼日:不明
 由緒:南方神社とは諏訪神社の別名で、鹿児島県内で使用されている名称です。この社の創建年代は不詳ですが、棟板に元禄2年(1689)のものがあります。境内に二つの鳥居と二つのご神体、二組の狛犬があります。諏訪神社は「上下大明神」とあるように上宮と下宮の二つがセットで、この社のように鳥居・社殿が二つあるのが正しいとされています。しかし現在は一つしかないところが多く大変珍しいとされています。

遠景
神社入口
入口に立つ二基の鳥居
境内の様子
拝殿
拝殿内の様子
本殿二棟
 

日清戦役祈念碑と市指定有形文化財の狛犬
市指定有形文化財の狛犬
元禄2年(1689)生まれの、珍しく市指定有形文化財となっている狛犬です。「日清戦役祈念碑」前に縦に置かれています。「もののけ姫」に出てくる獅子神の様な顔つきで、身体に対して顔を90度曲げて睨みあっています。阿吽の位置が反対なので、もしかしたら本来は横置きで、反対位置にいたのかも知れません。見慣れている所為か、その方が自然な気がします。どっしりとした安定感があり力強く、この時代の物としては良く彫れており、保存状態も良好ですが、臑毛の大きさ・厚みには驚き。
狛犬の拡大写真はこちらで
(石工・久保田大右衛門 元禄2年(1689)建立)
日露戦役祈念碑と市指定有形文化財の狛犬
市指定有形文化財の狛犬
元禄2年(1689)生まれの、珍しく市指定有形文化財となっている狛犬です。「日露戦役祈念碑」前に縦に置かれています。上記の狛犬と同じ作者だそうですが、こちらは首の曲げ方が少なく、やや太めで、顔の鋭さも少なく、穏やかというか愛嬌がある様に感じます。足首に巻かれたミサンガのような輪(毛?肉?)が可愛いです。
狛犬の拡大写真はこちらで
(石工・久保田大右衛門 元禄2年(1689)建立)
社殿前から入口の二基の鳥居を見る。