韓国宇豆峯(からくにうずみね)神社

霧島市国分上井898(平成22年1月8日)

東経130度47分32.95秒、北緯31度43分25.25秒に鎮座。

 この神社は東九州自動車道・国分ICの南南西約800m、検校川右岸近くに鎮座しています。石段を数段上がると、山裾の豊かな森の中に青白赤黒と色分けされた綺麗な根巻鳥居が立ち、門守神社を経て、又、石段を上がると境内です。境内右手には神池の奥に境内社が二社祀られ、正面奥に入母屋造りの開放的な拝殿が建ち、その奥に綺麗に彩色され彫刻が施された春日造の本殿が建立されています。

 御祭神:五十猛命(素戔鳴尊の子:林業神)
 祭礼日:3月9日・新年祭(農耕、播種、奉射の田植え神事)
 境内社:門守神社他
 由緒:大隅五座のひとつ。「延喜式神名帳」(927)に「大隅國囎唹郡 韓国宇豆峯神社小」とあり、式内社(3132座)で「韓国」「辛国」「韓」などが付く神社名は、宮内省2座、河内国1座、出雲国7座、豊前国1座、大隅国1座があります。
 「続日本紀」によると、和銅7年(714)、すなわち大隅国設置の翌年に、豊前國から200戸(約5000人)の民が隼人を教導するため移住させています。そのときに、韓国神も移動して建立したものと伝えられています。
 「宇佐記」によると、「欽明天皇32年(571)、豊前国宇佐郡菱形地の上小椋山に祭られたのを当地宇豆峯山頂に遷座され、さらに国司の進言により永正元年(1504)、現在の地に奉遷した」との記録があります。また、神社由緒書にも豊前国から遷されたと明記されており、豊前国とゆかりのあることが推定させられます。

 韓国宇豆峯神社 鹿児島県国分市上井。旧県社。祭神は五十猛神。創建年月は明らかでないが、延喜の制(九二七)小社に列せられている古社である。祭神五十猛神は、航海と造林の守護神として、古来衆庶の崇敬篤く、社号の韓国は外国を意味し、航海を意味するとともに、宇豆峯は、山林の美称であるという。当社は初め、宇豆峯という山の嶺に鎮座していたものを、永正年間(1504〜21)に現在地に奉遷した。また永正元年(1504)の棟札には奉祀三座と記されているが、明治に至り三座のうちの天児屋根命は加治木の春日神社に、もう一柱は、鹿児島郡武村の建部神社に合祀された。明治4年(1871)5月14日、県社に列せられた。例祭は3月9日、春祭2月20日、夏祭7月20日、秋祭11月20日。
(「神社辞典」より)

神社遠景
社頭
入口に立つ根巻鳥居
門守神社
境内入口
境内の様子
拝殿
本殿
神饌所? 末社
神池と境内社二社