伊邇色(いにしき)神社

鹿児島市下伊敷町3197(平成22年1月6日)

東経130度32分16.88秒、北緯31度36分47.73秒に鎮座。

 この神社は下伊敷2丁目の山裾に鎮座しています。入口には神明鳥居がたち、境内最奥に鹿児島としては珍しい黒壁の社殿が建立されています。境内には忠魂碑があり、末社も祀られています。境内は迫り来るような崖下にありますが、綺麗に整備された気持ちの良い神社でした。

 御祭神:伊邇色入彦之命、天兒屋根命、武甕槌神・比賣神
 祭礼日:3月21日・春季祭、7月28日・六月灯、10月28日・豊祭(ほぜ)
 由緒:「当社は八三代実祿貞■年3月20日薩摩國正六位上伊■色神授従五位下」とあります。
 「書記」に五十瓊敷入彦命、「古事記」に伊色入日子命、「三代実祿」に伊■色とあるのは同一人で、伊邇色之入彦命は十一代垂仁天皇の第二皇子です。
 これ等の古書によれば垂仁の御代伊邇色之入彦命は天下に周遊し、池塘を堀り、水を導き、開墾して、大いに民にとっての功績を残しました。そこで行在所の跡に一社を建て、祀を奉じて、地名を伊邇色村と称したとあり、伊邇色を伊敷と訛ったのではないかと思われます。
 当社の神霊は昔から文武に秀で、農事に功があり、特に弓矢と角力を好まれ、往昔には流鏑馬や角力が奉納されていました。旧社号を歳之宮というのは、蝗の害があるときにはこの神に祈ればたちどころに蝗は壊滅し、晴雨祈願も随意に霊験があるといわれていました。又、伊邇色神社の名称は日本でただ一社のみです。

社頭
入口の神明鳥居
境内の様子
拝殿
拝殿内の様子
本殿鞘堂
忠魂碑 末社