稲荷神社

日置市東市来町湯田4008(平成22年1月7日)

東経130度20分1.23秒、北緯31度40分23.45秒に鎮座。

 この神社は湯之元駅の北西約600m、鹿児島本線の線路際に鎮座しています。社頭には樹齢300年の大楠が聳え、その根元には堂々としたお姿の市指定文化財・仁王像がいらっしゃいます。
 明神鳥居を潜ると石段の上にはこれまた市指定文化財・正徳5年(1715)生まれの出来の良い狛犬がいます。社殿が建つ上の境内入口には可愛い瓦材の狛犬が逆立ち姿でお出迎え。
 境内も社殿も鎮守の杜もとても綺麗で清々しく、鹿児島で最も古いこの稲荷神社を、皆さんが大切にしていらっしゃるのが、とても良く分かりました。境内右側の森に中には大正11年から国指定の天然記念物になっているヤッコソウの発生地があり、又、末社や市指定文化財・青面金剛像等が点在しています。
 この社からは一般的な稲荷神社に見られるような華やかさは感じられませんでしたが、薩摩人の実直さや落ち着き、信仰心の深さなどを感じ、鹿児島を再訪するときには、再度参拝をしたいと思わせられる神社でした。

 御祭神:稲倉魂命、猿田彦大神、宮毘姫命
 祭礼日:1月1日・歳旦祭、3月3日・御田植祭、7月上旬・六月灯、10月19日・例大祭、11月23日・新嘗祭
 境内社:門守神社、不動明王石祠、元稲荷、山神、山元家氏神
 由緒:島津忠久公は摂州住吉稲荷神社の御神霊の加護により誕生された霊験を偲び、薩摩守護職に任用された折り、創建されたと伝らる。
 一説には、承久3年(1221)と言われ、これより南方国道3号線沿いの田の中が旧社地である。
 代々島津家は当社を氏神として篤く信仰せられ、現鎮座地には天和3年(1683)9月に遷宮された。
 地元市来郷の郷社として広く崇敬され、3月3日の御田植祭には世襲の親牛・子牛の劇で社頭は賑わう。

「稲荷神社内の史蹟群」「境内案内図」拡大写真はこちらで

社頭
社号標
「郷社稲荷神社」
昔、鹿児島本線が開通する前は
此処が参道だったのでしょう。
神社前から線路に向かって降りる石段。
御神木・大楠
幹周:6.5m、樹高:25m、樹齢:300年
神社入口
神社入口を護る市指定文化財・仁王像
正徳5年(1715)の建立で、高さが約2.4mほどです。
参道途中に建つ明神鳥居
下の境内の様子
下の境内から神社を護る正徳5年生まれの市指定文化財・狛犬
阿吽で高さも身体の長さも随分異なります。毛脛なども造りが替えてありますから、もしかしたら意図的なのかも知れません。この時代の物としては保存状態も良好で、造りは丁寧で滑らか、雄々しい中にも伸びやかさが感じられる、非常に良くできた作品だと思います。
狛犬の拡大写真はこちらで
(正徳5年(1715)建立)
門守神社
石段参道
市指定文化財・御田植祭の牛面
上の境内入口
境内入口に置かれた瓦材飛び狛
拝殿
本殿
御神木と境内の様子
末社:不動明王石祠 末社:元稲荷と五輪塔残欠
末社:山神 末社:山元家氏神
連碑
市指定文化財・青面金剛像
享和3年(1803)造
石仏
国天然記念物・ヤッコソウ