木熊野神社

善通寺市中村町138(平成21年3月30日)

東経133度46分23.12秒、北緯34度13分55.56秒に鎮座。

 この神社は筆岡小学校の南東約600mに鎮座しています。この社の鎮守の杜は梛の社叢として県指定天然記念物となっており、大きく伸びた木々の姿は遠くからもよく目立っています。ここに紹介した参道は駐車場からの参道の様子ですが、本来は東側「若宮神社」からの参道が表参道だったのかもしれません。
 駐車場からすぐに参道入口の明神鳥居が建ち、途中にはこの社の別名 「熊野梛之宮」銘の入った燈籠も奉納されています。御神木を始めとして見事な社叢を形成している鎮守の杜の中に境内入口があり、正面には唐破風の向拝が付けられた大きな拝殿が建っています。境内の左右には粟嶋宮、恵比須宮、厳島神社等の境内社や沢山の末社が祀られており、深い森の中で古い祠を見ているとまるで時間が逆行した世界に迷い込んだような気分になりました。

 御祭神:伊邪那美命、速玉男命、事解男命、合祀祭神:事代主命、市杵島姫命
 祭礼日:8月9日、10月7〜9日(県無形民俗文化財・特殊神事)
 境内社:粟嶋宮、恵比須宮、厳島神社
 由緒:創建は僧空海の勧請と伝わり、東寺文書抄天喜4年(1056)12月5日讃岐国善通寺所司解申中善通寺五社明神(多度郡内に於いて空海に縁のある五社を伽藍の鎮守として奉齋せるもの)の条に「證成大行事」とあるのはこの社と云われており、紀州熊野本宮を證誠殿と称していたのです。
 善通寺はこの社と同じく中村郷にあり、空海は佐伯田公の子で此の地方の名門である上に、善通寺寺領地も多かったので善通寺領内に熊野十二社権現を勧請したものと思われます。
 境内の梛の樹はその昔御祭神に縁の深い紀州(和歌山県)から移植されたもので、昭和34年香川県指定天然記念物となり別名「梛の宮」とも呼ばれています。
 (「神社名鑑」より)
 梛は常緑で20m位まで伸び、葉には光沢があり、秋に丸い実がなるので煎じて飲むと、肺病・痛風に効くといわれています。古くから悪気を払って災難を免く事が出来、さらに病気の治療にも霊験があると信ぜられていたので、藤原成通は、熊野の西御前の賓前で、夢の中で得た梛の葉を御守りにしていたといいます。
 県無形民俗文化財・特殊神事「梛の宮の秋祭り」は四国風物選で詳しく解説がされています。

参道入口の明神鳥居 鳥居に架かる額
参道の様子 参道に建つ
「熊野梛之宮」
銘の入った燈籠
社頭
境内入口に建つ明神鳥居 社号標
「郷社木熊野神社」
境内入口にいる明治12年生まれの讃岐型狛犬
耳・顔つき・尾の形状全て讃岐型ですが、側面から見ると随分と丸々と見える狛犬です。
狛犬の拡大写真はこちらで
(明治12年(1879)9月吉祥日建立)
拝殿
本殿
境内社:恵比須宮
境内社:粟嶋宮
境内社:厳島神社
末社群 伊豆魂神社等末社
御神木・梛
梛の社叢