山北八幡宮

丸亀市山北町570(平成21年3月29日)

東経133度48分24.02秒、北緯34度16分25.94秒に鎮座。

 この神社は丸亀城の南南東約1kmに鎮座しています。丸亀城搦め手口から南へ伸びる道路上に一の鳥居が建ち、ここから神社までは未だ約600mもありました。社頭には大きな狛犬がおり、参道入口から随神門までの間にも三対の狛犬の姿が見えます。この日最後に参拝した神社で日没までに時間がありません。こんなに大きな神社とは予想もしていなかったので、少々焦り気味に写真撮影をすることになってしまいました。
 随神門を潜り境内にはいると、そこは市街地の中に鎮座する神社とは思えないほど閑静で、整然と整えられてはいますが、豊かな鎮守の杜のお陰でしょうか、落ち着いた、神域に相応しい雰囲気が漂っていました。正面には豪華な千鳥破風・唐破風を付けた拝殿が建ち、その後ろに大きな幣拝殿・本殿が建立されています。境内には多数の境内社・末社が祀られ、絵馬殿、神馬舎、筆塚なども見られます。又、境内内にも4対の参道狛犬がおり、本殿縁には一体だけの変わった神殿狛犬が居ました。又、さぬき十五社一つであります。

 御祭神:品陀和気尊、息長帯姫命、玉依姫命、合祀祭神:波仁夜須神、水波女神、天照皇大神、大物主神
 例祭日:10月第2土・日曜日
 境内社:高良神社、亀山神社、荒魂神社、和霊神社、稲荷神社、猿田彦神社、大国主神社、春日神社、大神宮、幸神社、高津神社
 由緒:山北八幡宮と奉称せられ旧丸亀市の産土神なり。
 宝暦の社記によれば当社往昔は、船山に鎮座ありて船山大明神と奉称せられしが、船山後に亀山と称せらるるに至り。よって亀山大明神と称せらるるに至れりとありて、伝うる所によれば、往古亀山は船山又は波越山と称せられ、海潮山のふち迄満ち来りしを以てこの山に於て船を造り又修理せしより船山と称したり。
 後年この沖に大亀来たりしを捕らえて朝廷に献ず。以来沖を丸亀沖と称し山を亀山と称するに至れりと言う。
 三代実録に「元慶5年(881)11月14日戊午授讃岐国正六位上船山神従五位下」とあるは当社なりと言えり。道隆寺温故記には延久5年(1073)秋8月裕善法印勅を奉じて当社外四ヶ所に八幡宮を創建すとあり。(中津、山北、葛原、三井、堀江) 又、応保年間(1161〜1162)崇徳天皇鵜足郡亀山の北に登り給い(亀山古くは鵜足郡に属せしと)遥かに山城国雄徳山の大神を拝し給う。依ってその跡に小祠を営み山北八幡宮と奉称すとも言う。
 永仁5年(1297)遷宮、貞治3年(1364)遷宮のこと温故記に見ゆ。 或は貞治元年(1362)海崎元村再興すとも言えり。
 慶長7年(1602)国主・生駒一正、西讃鎮護の為め亀山に築城し、故を以て当社を柞原郷王子森に遷座して社殿を造営し神領十六石を寄進す。然れども社号は山北八幡宮と唱え奉れり。 寛永18年(1641)山崎家治封を西讃にうけ丸亀に居城するや社殿を修して郷社となし、京極氏丸亀藩主となるに及びて亦厚く崇敬せり。
 丸亀は、生駒氏築城以来追々繁栄して西讃の主要地となり。当社遷宮後も丸亀は、当社氏子として今日に及べり。
 而して亀山の鎮座地は明治6年兵営建設の際取り除かれて、その跡を失うに至れり。
(「境内由緒書」より)

神社入口より約600mも北の道路上に建つ一の鳥居 一の鳥居に架かる額
社頭 社号標
入口にいる昭和10年生まれの大きな狛犬
胸を張った堂々とした狛犬ですが、扁平顔で、どことなくエキゾチックな感じがします。
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(昭和10年(1935)9月23日建立)
参道入口の二の明神鳥居 二の鳥居に架かる額
「山北八幡宮」
参道途中の三の明神鳥居 三の鳥居に架かる額
「八幡神社」
境内入口までにぞろぞろと狛犬の姿が見えます。
寛政5年生まれの狛犬
この社の狛犬の中では一番の長老で、胴が長く、は虫類的な感じがします。又、阿吽の造りが大分違います。
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(寛政5年(1793)8月吉日建立)
阿は角を付け、口中に玉を含み、吽は宝珠を付けています。浪速タイプですが、焔立つような造りの尾が格好いいですね。
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(文政12年(1829)正月吉日建立)
玉には乗っていませんが、広島型の尾の狛犬です。
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(昭和5年(1930)1月9日建立)
随神門 随神門に架かる額
「八幡宮」
参道・境内の様子
神馬舎 絵馬殿

県指定有形民族文化財「山北神社奉納 京極侯参勤交代御船揃絵馬」案内はこちらで

豪華な千鳥破風・唐破風を付けた拝殿
青銅製の燈籠
拝殿前にある雨水をためる桶は、青い力士達が支えています。
本殿
本殿縁にいる一体だけの面白い神殿狛犬
社殿全景
拝殿左に建つ神饌殿 筆塚
青銅製の御神馬像と犬?像 絵馬
境内の様子
裏参道入口にいる天保12年生まれの狛犬
兄は角が付き、吽には宝珠が付けられています。厳しい顔つきの良い狛犬ですが、やや剥落が進んでいます。
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(天保12年(1841)9月吉祥日建立)

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