氷上神社

陸前高田市高田町西和野(平成17年7月28日)

この神社は陸前高田駅の北北東約2km、氷上山の南麓に鎮座する式内社です。境内脇を清流が流れ、氷上山へと続く深い杜の参道を歩くと、垂れ目の優しい狛犬が目につきました。今まで見てきたこの地方の狛犬とはちょっと毛色の変わった子です。どちらかというとノーマルタイプといえましょうか。社殿はかなり大きなお寺のような造りで、その中に慶応生まれの石造神殿狛犬が大事に保護されていました。ここは氷上山山上の氷上神社奥宮に対しての里宮です。元々別々に鎮座していた登奈孝志(トナコシ)神社、五葉山鎮守の理訓許段(リクコタ)神社、気仙郷・現三陸町八森鎮座の衣太手(キヌタテ)神社が、中世になり修験道の山岳信仰により、山頂に集められ奉られるようになったと言われています。けれど現在の里宮御祭神は、神社名鑑によると天照大神、素盞嗚神、稲田姫命の三柱です。この矛盾、原因は分かりますが、神社側はどう考えていらっしゃるのでしょうか?ここだけではなく、この現象はあちこちで見られ、いつも気になっているところです。いつか神社関係者にお聞きしたいと思っています。又、氷上神社由緒によると、氷上山は最初「お山」とだけいわれていましたが、後に「気仙山」そして「日の上山から転じて氷上山」と言われる様になったと云うことです。

(慶応2年(1866)9月19日建立)

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神社入り口

深い杜の参道

参道途中の明神鳥居

境内右側を流れる清流

垂れ目の優しい狛犬。身体の唐草模様が大きく盛り上がり、尾は大きいけれど殆ど背中に付いています。阿は宝珠付き。太めですが穏やかで可愛い狛犬です。

拝殿

本殿

拝殿内、慶応生まれの石造神殿狛犬。遠くて暗いので、普通撮りとフラッシュ使用の両方で撮ってみました。