日高神社

奥州市水沢日高小路13(平成22年8月21日)

東経141度8分12.15秒、北緯39度8分22.81秒に鎮座。

この神社は水沢駅の西北西約1.3kmに鎮座しています。市街地の中の神社ですが、大きな鎮守の杜が残され、特に市指定天然記念物の推定樹齢約550年以上といわれる姥杉や、ご神木の聳える様は圧巻です。
入口には社号標、狛犬、灯籠、鳥居が建立され、参道突き当たりには垣内に市指定天然記念物・姥杉が見事な枝振りを見せ聳えています。参道は姥杉を迂回するようにいったん左に曲がってから又右に曲がり、神池を右に、日高幼稚園の園舎や園庭を左に見ながら進むと、右手に神門が建立されています。
境内正面には拝殿、おくに弊殿、重要文化財の本殿が建立され、右手には社務所、左の森の中に留守氏代々の祖霊社・瑞山神社や留守家墓所、他の境内社などが祀られています。
弘仁元年(810)の創建と伝わる古社ですが、氏子さんや市民から今も愛され崇敬されている事が如実に分かる素晴らしい神社でした。

御祭神:天御中主神、火産霊神、御年神、大年神、若年神、水波乃賣神、大国主神、倉稲魂神
祭礼日:4月28日〜29日
境内社:道祖社、松尾社、天神社、瑞山神社、氏子宮
由緒:名称には諸説あり、この地が古来より日高見国と呼ばれ、日高見国勢力の中心だった事や、前九年合戦の折、源頼義が祈祷した所、雨が急に止み日が高くのぼり、未の刻(午後2時ごろ)に安倍貞任を討ったという謂れなどがある。
妙見菩薩を祀る宮として信仰され、「日高妙見」「日高妙見神社」とも呼ばれている。
日高神社の創建は810年(弘仁元年)に第52代嵯峨天皇の勅命によりこの地に勧請した事が始まりとされる。この地のリーダーであったアテルイが降服し、802年(延暦21年)に胆沢城が坂上田村麻呂によって造営されてから8年後の創建となり、日高見国の信仰を継承する形でヤマトの神々を祀り、胆沢鎮守府の神社にされてきたと推測されている。
征夷大将軍源頼義・義家父子が戦勝祈願に訪れたと伝えられており、伊沢氏を始めとする東北鎮護の国司、奥州藤原氏、伊達氏などから崇敬を受ける。
1170年(嘉応2年)には藤原秀衡が再造させている。慶長年間には伊達政宗が再興させ、社領の寄進と社殿の造営を行い、参拝の記録も残る。1632年(寛永9年)現社殿を初代水沢城主留守宗利(伊達宗利)が改築。
1869年(明治2年)胆沢県が置かれると、同4年には県の総社として「郷社」の社格を与えられるが、1946年(昭和21年)神社制度の改廃により社格は消滅した。
水沢三偉人(高野長英・後藤新平・斉藤実)もそれぞれ参拝に訪れている。
(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より)

「御由緒」拡大写真はこちらで

社頭
社号標 神社入り口
台輪鳥居 鳥居に掛かる額
参道の様子
市指定天然記念物・姥杉
推定樹齢:約550年以上、幹囲:5.5m程
別名義家杉とも呼ばれる。前九年の役の際、安倍一族との勝利を祝い、その祝宴で使った杉の箸を地面に刺したものが根付いて巨木になったという伝説がある。
姥杉脇を通る参道の様子
境内社:道祖社 留魂
神池脇の参道の様子
神池
神門
境内に入ってからの参道の様子
境内にいる昭和4年生まれの狛犬
実に堂々として重量感があり、台座も低く、短く可愛い尾も背に張り付き、造りも丁寧でとても昭和生まれの狛犬とは思えない出来映えです。もしかしたら先代がいて、それをモデルに造られたのかもしれません。今回の岩手の狛犬探訪の中では、一番印象深い狛犬でした。
狛犬の拡大写真はこちらで
(昭和4年(1929)4月22日建立)
境内の様子
ご神木

拝殿
重要文化財・本殿
三間社流造、寛永9年(1632)建立(社伝)。独特の虹梁と蛙股などには室町時代の手法もうかがわれる。
岩手県下では江戸時代前期まで遡ることのできる数少ない神社本殿として貴重。

境内社:松尾社
境内社:天神社

県指定有形文化財 境内社:瑞山神社(祖霊社)
留守氏代々の祖霊社。留守氏が岩切城(宮城県仙台市宮城野区岩切)にいた頃に岩切の志波彦神社境内に一社を建立して初代伊沢家景以来の霊を祀って保榮堂と称した。留守氏が寛永6年(1629年)伊達家重臣として水沢を所有し、このときに保榮堂を移したのが瑞山神社である。

境内社:瑞山神社(祖霊社)入口
瑞山神社(祖霊社)社殿
奥州市指定史跡・留守家墓所
留守宗利(初代水沢城主)公、宗直(2代)公のもの。
境内社:氏子宮 針塚
鎮守の杜
絵馬

留守宗利公銅像

県指定無形文化財・火防祭の日高囃
水沢城主留守宗景が江戸明暦の大火を身をもって体感した事から水沢に帰国後、消防隊を組織。日高神社の日を火に、境内社:瑞山神社の瑞を水に通じるとし、両社に火防の祈願をしたのが日高火防祭の始まりという。火防祭のときに打囃子をして練り歩く。