黒森神社

宮古市宮園(平成17年7月26日)

この神社は宮古市街地の北、黒森山の中腹に鎮座しています。宮古岩泉線に面した一の鳥居からは何と1.5qも山奥に分け入った、深山幽谷の感があり神秘的な雰囲気を漂わせる深い森の中に、その姿を隠すがごとくこの神社は鎮座しているのです。この杉や樅、榧の巨木が鬱そうと生い茂る森を黒森といいくろもりは、くろう=九郎の転化したものだと云われています。創建は不詳ですが一説によると坂上田村麻呂の創建とも伝えられ古来から修験者の霊場となり、かつては女人禁制の地でした。神社所蔵の「黒森山神譜」によれば義経主従はここで三年三ヶ月の行を行い、大般若経を六百巻写経し奉納したとされます。代々伝わる義経の般若経は疫魔退散などの符として土地の人が文字を切り取ったため、虫食いになって今でも残っているそうです。また盛岡藩の厚い崇敬を受け、明治以前は黒森薬師観音あるいは黒森大権現と呼ばれ、十一面観音像が祀られていました。現在の御祭神は、須佐之雄命、大巳貴命、稲田姫命です。また1月3日に舞い立が行われる黒森神楽は黒森権現様をささげ持ち、譜代村の鵜鳥神楽と一年おきに、北廻り、南廻りを受け持ち、北は久慈、南は釜石まで家々を巡行する神楽です。

(平成16年7月吉日建立)

宮古岩泉線に面した一の鳥居

参道の様子

鈴しょうわ狛犬。でもこれは余り厳めしくなくユーモラスな感じがします。

境内入り口

ここのお手水は龍の口から
ご神水が出ています

建立年代は不明ですが江戸期のものかな?夜叉のような個性的な顔立ちです。

市の有形文化財(建造物)に指定されている社殿。正面と側面から。

脇障子の狛犬、二態

失敗しました。神社の掲示板に案内図があり、境内社の名前も乗っていたのできちんと確認せずに帰ってきたら、解像度が低すぎて字まで読み取れませんでした。で、境内社のお名前は全滅です。

ご神木の樅、榧(かや)の巨木

この神社が女人禁制の頃、いたこさんがこの地で行方不明になり
哀れんだ村人が石碑を建てたという言い伝えのある「イタコ石」

紫陽花の道の紫陽花も雨に濡れて下を向いています