早池峰(はやちね)神社

花巻市大迫町内川目第1地割 (平成17年7月25日)

東経141度25分14.33秒、北緯39度31分45.37秒に鎮座。

この神社は、紫波町から25号線で50分くらい走ると、もともと山伏の集団が住みついたといわれる岳集落に入ります。ここに大迫町の早池峰神社は鎮座しています。由緒によると御祭神は瀬織津比売神で、大同二年(807)田中兵部、始閣藤蔵の両名が山頂に姫大神を祀ったことに始まり、1300年阿闍梨円性が天下の霊地であるとここに一宇を建立、早池峰大権現と崇め、その後南部公にも厚遇されました。又ここには舞楽、田楽の流れをくみ、舞の形、衣装、道具など、ほぼ600年間原形をとどめ、今日の能大成以前の姿を残しているといわれる早池峰山伏神楽・岳神楽が伝承されています。豊かで神秘的な伝承や説話に彩られた霊峰と神社、その規模の大きさ、荘厳さなど元県社の格を感じさせる造りでした。又、拝殿内の超下手だけれど面白い味のある狼?、久しぶりに見た境内の浪花狛犬など狛犬ファンにも堪能できる神社です。

社号標と表参道入り口

参道脇の不動明王像

二の鳥居

杉木立の中の長い参道

三の鳥居

古峰神社文字碑

毎年、岳神楽が舞われる神楽殿

随神門

拝殿前の浪花狛犬。拡大写真はこちら。
(昭和14年11月25日建立)

奈良、京都でよく見た浪花狛犬。昭和のこの時期にどうしてこんな山奥で造られたのでしょうか?阿の子狛が一人前にふんぞり返っているのがとても可愛く、とてもできの良い狛犬です。

重厚な拝殿

拝殿の大権現社額

拝殿内にいた下手だけれど素朴で味のある狼?。木彫りで、三つ編みのような鬣と、
二つの耳だか角だか分からないものが面白い。

文化財指定の本殿

境内社・稲荷神社 境内社・山神社

境内社

岳妙泉寺跡

庫裏

纏められた文字碑

東参道入り口

東参道から見た社殿

このほか面白い伝承があるのでご覧ください
1,早池峰山の開山に関して(由緒とは違う話も伝わっているようです)
大迫の田中神社の神主山陰氏に伝わる開山伝承は、大同二年(807)に猟師兵太郎が鹿を追って岳口から山に入り、遠野から来た藤蔵と会い、早池峰権現を見た。そこで二人は協力して山頂に祠を建てた。その後兵太郎は山麓に早池峰神社の遥拝所として真中明神<現田中神社>を建て今に至っている。なおそれ以来田中明神は、早池峰神社の祭祀権をもっていたが、近世になってその権利を岳の妙泉寺にゆずったという。
2,「遠野物語」2 神の始 よりーー姫神の話
大昔に女神あり、三人の娘を伴ひて此高原に来り、今の来内村の伊豆権現の社ある処に宿りし夜、今夜よき夢を見たらん娘によき山を与ふべしと母の神の語りて寝たりしに、夜深く天より霊華降りて姉の姫の胸の上に止りしを、末の姫眼覚めて窃に之を取り、我胸の上に載せたりしかば、終に最も美しき早地峰の山を得、姉たちは六角牛と石神とを得たり。若き三人の女神各三の山に住し今も之を領したまふ故に、遠野の女どもは其妬を畏れて今も此山には遊ばずと云へり。