藤津比古神社

藤津比古神社に関する文化財一覧
藤津比古神社本殿(国指定重要文化財)
 藤津比古神社は藤津比古神と熊野速玉神を祀る延喜式内社で、古くから地区民の尊崇を集めた釶打郷の惣社である。身舎の蟇股や戸口回りなど、内部には鎌倉時代の古式を残す三間社流造である。
 記録では、天正四年(1576)、元禄一五年(1702)に修理が行われている。

正和三年熊野権現建立棟札一枚 (書籍)
総高七五センチの檜板製で、尖頭形。正和三年(一三一四)は鎌倉時代後期である。

蒔絵鞍一個(工芸品)
木製革張りに黒塗りし、金銀で蒔絵を施したもので、「海無鞍」という様式の鞍である。居木の裏面に「萬治弐歳五十嵐道甫」と墨書銘が残る。五十嵐道甫は、加賀蒔絵の基礎を築いた名工の一人である。萬治弐歳(1659)は江戸時代前期である。

弘治三年木製方形桝一個(歴史資料)
方形で一辺が約一八センチ、深さ約七センチの桝で、外側二面に、「弘治三年九月九日」の陰刻銘がある。弘治三年(1557)は戦国時代にあたる。

釶打のおすずみ祭り(無形民俗文化財)
例年八月十四日の夜行われる納涼祭である。各末社から参集する奉灯には昔ながらのロウソクを用いて、「ヤンサコ」という祭歌を歌い、古来の情緒を今に伝えている。

新宮祭の枠旗行事(無形民俗文化財)
例年九月十五日に行われ、各末社が猿田彦に導かれて神輿、鉦太鼓、枠旗とともに本社に集まる寄り合い祭りと呼ばれる形式である。宮司が馬に乗り御旅所(水落とし)まで枠旗の行列と共に渡御する。