那谷(なた)

小松市那谷町シ1番地外12筆合併地(平成24年6月3日)

東経136度25分23.94秒、北緯36度18分37.15秒に鎮座。

 この那谷寺は高野山真言宗別格本山です。
 寺伝によれば、養老元年(717年)泰澄法師が、越前国江沼郡に千手観音を安置したのが始まりとされる。その後寛和2年(986年)花山法皇が行幸の折り岩窟で輝く観音三十三身の姿を感じ、求る観音霊場三十三カ所はすべてこの山に凝縮されるとし、西国三十三観音の一番「那智」と三十三番「谷汲」の山号から一字ずつを取り「自主山厳屋寺」から「那谷寺」へと改名。
 南北朝時代に戦乱に巻き込まれ荒廃した。近世に入って加賀藩藩主前田利常が再建。この時の大工は気多大社拝殿を建てたのと同じ山上善右衛門である。
 前田利常は、江沼郡の大半を支藩の大聖寺藩に分置したが、この那谷寺がある那谷村付近は自身の隠居領としたため、その死後も加賀藩領となった。(後に領地交換で大聖寺藩領となる)
 元禄2年(新暦1689年)奥の細道の松尾芭蕉は弟子の河合曾良と山中温泉で別れ、数日前滞在した小松へ戻る道中参詣し、奇岩霊石がそそりたつ遊仙境の岩肌を臨み句を詠んでいる。
   石山の 石より白し 秋の風 芭蕉 (境内には句碑もある。)
(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より)

 寺院内に若宮白山神社が鎮座しているので、久しぶりにお寺に参詣しました。私の叔母は「日本中でこの寺院が一番印象的で好き…。」と言っていましたが、その言葉が素直に頷ける素晴らしい佇まいの寺院です。

参道左側に広がる庭園・琉美園内で幽玄な佇まいを見せる蓮池
奇岩霊石がそそりたつ奇岩遊仙境と洞窟内に祀られる石仏
本殿へと誘う中門
大悲閣にいたる石段参道途中にいる大正2年生まれの狛犬
阿は口中に玉を含み、阿吽共に背筋をきりっと伸ばした、鬣や尾の豪華な狛犬です。
狛犬の拡大写真はこちらで
(大正2年(1913)8月建立)
四棟舞台造り、四方欄間浮彫りで、鹿、鳳凰、鶴、松、竹、梅、橘、紅葉等花鳥を配す大悲閣拝殿(国指定重要文化財)
慶長2年(1597年)建立
本殿・唐門(国指定重要文化財)にいたる大悲閣拝殿内の様子
大悲閣から参道を振り返る
縁結びの神・庚申塚
白山妙理大権現を祠る鎮守堂
慶安2年(1649年)建立