白山比�盗_社

白山市三宮町ニ105-1(平成20年11月3日)

東経136度38分14.54秒、北緯36度26分2.29秒に鎮座。

　この神社は加賀一の宮駅の南東すぐに鎮座しています。というよりもこの社への参拝客のために駅が作られたというべきなのではないでしょうか？
　昭和11年建立の大鳥居が建つ表参道入口傍の境橋から神門までの表参道はおよそ250ｍあり、緩い石段の脇には清らかな流れと杉の古木に彩られ、又、桜や紅葉が点在し四季折々の美しい眺めを楽しませてくれそうな佇まいでした。参道途中の「琵琶滝」は、その形からビワの滝という名が付けられたそうですが、清らかな獅子吼からの谷水を手取川にそそいでいました。手水舎前にはしめ縄の張られた樹齢千年を越えると推定されている神代杉が聳え、その後尚もゆったりと登った先に三の鳥居が建ち境内入口となります。
　境内入口には、やや樹勢の衰えは見られますが指定天然記念物「大ケヤキ」が聳え、樹幹の風雅さ、樹木の生命力を感じさせてくれます。神門右側には境内社・荒御前神社が祀られ、参道が左に曲がると落ち着いた造りの神門と回廊が建っています。神門を潜るといよいよ境内となりますが、正面には大きく荘厳な拝殿が建ち、本殿は境内右端から屋根が微かに見えます。
　境内右側には「白山奥宮遥拝所」が祀られ、境内左側には芭蕉が霊峰白山を称えた句碑が建ち、白山霊水を経て駐車場からの神社入口へと続きます。
　又、駐車場からの神社入口傍には昭和53年に建設された宝物館が建っていますが、白山比�盗_社所蔵の国宝・劍吉光や旧国宝（現重要文化財）の木造狛犬をはじめとする、古い信仰と歴史を物語る宝物什器がたくさん保存されており、一見の価値ありと思われます。

　主祭神：白山比�淘蜷_（菊理媛神）、伊邪那岐尊、伊弉冉尊
　祭礼日：1月2日・新年二日祭、1月3日・元始祭、1月15日・左議長祭、2月11日・紀元祭、2月17日・祈年祭、3月3日・豊年講春季大祭、3月15日・参集殿神殿常例祭、3月20日・鎮火祭、4月14日・日吉社常例祭、4月15日・荒御前社常例祭、4月15日・鎮花祭、5月5日・春季神御衣祭、5月6日・例大祭、5月14日・大国主社常例祭、5月15日・交通安全祈願神祠常例祭、5月23日・献茶祭、5月吉日・春季水戸明神祭、6月第一土曜日・みにえ講大祭、6月3日・高日社常例祭、6月18日・古遷座祭・敬老祭、6月30日・夏越大祓、6月30日・住吉社常例祭、7月１日・白山奥宮夏山開山祭、7月7日・開花祭、7月18日・白山奥宮大祭、8月15日・16日・夏まつり・白山水系水利感謝祭、8月31日・白山奥宮夏山閉山祭、9月23日・三宮まつり、10月9日・白山まつり、10月17日・神嘗祭当日祭、10月23日・秋季神御衣祭、10月23・24日・豊年講秋季大祭、11月3日・明治祭、11月15日・七五三祝祭、11月22日・三宮社常例祭、11月23日・新嘗祭、12月23日・天長祭、12月29日・煤払祭、12月31日・除夜祭、12月31日・年越大祓
　境内社：荒御前神社、河濯尊大権現社
　由緒：白山の開山は、養老元年(717)越の大徳として仰がれた泰澄大師の登拝によるといわれ、天長9年(832)には、その麓に白山の三馬場(加賀・越前・美濃〉が開かれ、信仰活動の拠点が形成されたと伝えられる。また、久安3年(1147)には、加賀馬場白山本宮(白山寺)が、比叡山延暦寺の別院となり、平安末期の加賀国で、一大宗教政治勢力を形成するに至った。
　加賀馬場の構成は、“白山七社"と呼ばれた本宮四社(本宮〈白山比�盗_社〉・金剱宮・三宮・岩本宮)と中宮三社(中宮・佐羅宮・別宮)を中心に、白山五院・中宮八院・白山三ヵ寺などから成っており、七社惣長吏を頂点に、各社の長吏・院主・大勧進・大先達などが巨大な僧兵集団を統率し、盛時には“白山衆徒三千を数う"とまで言われた。安元3年(1177)、加賀目代藤原師経の能美郡涌泉寺(中宮八院)焼き打ちに抗議し、佐羅宮の神輿を奉じて、近江日吉七社の神輿と共に、上洛強訴に及んだ事件は、加賀馬場の勢威を知らせるものとして著名である。
　しかし、鎌倉時代以降になると、加賀平野の地頭領主層による白山神領の侵略や、加賀馬場各社間の分裂抗争などにより、次第にその勢力の弱体化がはかられた。
　また、戦国時代には、一向一揆の加賀国支配のもとで、白光院が白山惣長吏職を世襲するようになっており、白山々頂の杣取権をめくって、山麓の尾添村と牛首・風嵐両村などの間で、争論も見られた。　
　次いで、桃山時代に入ると、加賀藩祖前田利家によリ、白山本宮の復興がはかられ、以後江戸時代を通じて、歴代藩主よリ厚い保護をうけた。その間、白山々頂の帰属をめぐ⊃て、越前馬場の平泉寺との間で争論が展開さ一れており、この過程で加賀馬場は、従来の天台宗から真言宗へと転じた。
　だが、慶応4年(1868)神仏分離令によって旧来の長吏・神主の制が廃止され、明治4年(1871)には、白山本宮は白山比�盗_社と改称されるに至った。
（宝物館パンフレットより）

白山比�盗_社公式サイトはこちら

表参道入口 昭和11年建立の大鳥居。岡山県特産の御影石で造られたもので、 高さは6ｍ40cm、石鳥居としては全国でも有数の大きさを構える立派な鳥居です。

社号標	神橋・境橋と緩い石段の参道

獅子吼からの谷水を 手取川にそそいでいる琵琶滝	杉の古木に彩られた表参道

参道右側に聳える指定天然記念物「白山比�盗_社の老スギ」 境内でもっとも大きな神代杉で、太さは目通り５ｍ余りあり、樹齢は千年を越えると推定されています

参道途中の二の鳥居

二の鳥居脇の昭和25年建立の狛犬 台座の上に自然石と一体となったように彫られています。吽には大きな角があり、獅子頭の様な顔つきですが、目も口も笑ったようなにこやかな優しい狛犬です。耳が厚く大きく、鬣や尾の渦も派手に渦巻いています。 狛犬の拡大写真はこちらで
(昭和25年(1950)3月建立)

境内入口　三の鳥居

境内入口に聳える指定天然記念物「大ケヤキ」

神門右側に祀られる境内社：荒御前神社（荒御前大神・高日大神・日吉大神・住吉大神）

落ち着いた造りの神門と回廊

拝殿前、招魂社系狛犬

大きく荘厳な拝殿

拝殿に架かる大きく太い左末右本、左綯いの注連縄

微かに見える本殿

祈祷受付所内に置かれた「白嶺大神獅子」

境内右側に祀られる「白山奥宮遥拝所」

境内に聳える数多の大スギ	絵馬

芭蕉句碑「風かをる　越の白嶺を　國の華」

自動車お祓い所

社務所入り口の道路脇に置かれた狛犬 瓦材で、嘗ては屋根の上に有ったのではないかと思われます。

白山霊水	駐車場からの境内入口の様子

觸穢の所（穢れ清め所）

駐車場からの神社入口

境外社：河濯尊大権現社

宝物館内に陳列されている旧国宝（現重要文化財）の木造神殿狛犬 鎌倉中期(1270年頃)のもので奥州の藤原秀衡公が当社に奉納したものと伝えられています。作者は不詳ですが、巨匠運慶の作かとも言われ、普通の狛犬よりも大きく、いかにもたくましい肉づきに、勇ましい男性的な鎌倉時代の彫刻の手法がみられ、雄渾な力づよい作風を強調した傑作としてあまりにも有名です。 （宝物館パンフレットより転載） この狛犬は鎌倉時代建立ですが、館内にはこの他に平安時代に作られた木造神殿狛犬もあり、どちらもその時代の一流の彫刻師・仏師の作と思われ、時の経つのも忘れるほどの逸品でした。必見です。 宝物館パンフレットはこちらで