松尾神社

羽咋郡志賀町町居 (平成21年5月6日)

東経136度46分29.5秒、北緯37度6分7秒に鎮座。

この神社は、能登半島中央部やや括れた辺りの田園地帯に鎮座しております。瓦でなく、茅葺の拝殿が遠目にも長閑な雰囲気を出しています。文化財指定の拝殿と本殿を持つ数少ない神社です。

松尾神社は、承和元年(834)に山城国の松尾神社を勧請し創立されたと伝えられる。祭神は大山咋命、玉依比売命の2神である。古くは近隣3ヶ村の総社であったが、現在はこの町居地区の産土神として崇敬されている。本殿は、拝殿・幣殿に続く覆屋によって保護されているため、外部からその姿を見ることはできない。本殿の建立年代は定かではないが、建物の構造・手法から室町時代末期頃と推定され、北陸地方では数少ない中世建造物の遺例のひとつとして、また同地方の社寺建築の流れを知るうえに貴重な遺構である。

拝殿は、宝永5年(1708)の他3度の修理の跡が窺え、小屋組や外部境の柱間装置にその痕跡がある。しかし、当初材である桁・梁・柱などの構造材に及ぶ改変はなく、その保存状態は極めて良好である。拝殿に関する文献や社伝はなく、建立年代は定かではないが、建物の構造・手法から本殿とほぼ同じ室町時代末期頃の造立と推定される。中世後期に遡る拝殿は県内には例がなく、しかも本殿と対になって保存されている貴重な遺構である。
境内由緒書より。原文はこちら。

神社全景と社号標

拝殿正面

拝殿覆屋

社殿全体

「本殿は外部からその姿を見ることはできない」ので、由緒書の写真より。

隣の、高野山真言宗 海松山松尾寺。