石部(いそべ)神社

豊岡市出石町下谷62(平成20年8月28日)

東経134度53分5.07秒、北緯35度27分26.84秒に鎮座。

 この神社は出石高校東に鎮座しています。神社前に立つと、まず眼にはいるのが鳥居右側に大きく聳える、市指定文化財天然記念物「幸の大ケヤキ」です。その他境内周囲は大きな鎮守の杜を形成し、その中に整然と整えられた境内がある…という感じの神社でした。
 参道を進むと、とても横に広く感じる境内で、その中央右に御神木の大きなケヤキが聳えています。境内北側の高い位置には三社殿が並んでおり、参道正面は石部神社社殿で、社額には「礒部大明神」と書かれています。左手にある神明造りの社殿は、皇大神宮で難しい字の額には多分「神明宮」と書かれているのだと思われます。その右横には、「多茂宮」「稲荷宮」、左には「八幡宮」と合祀社の社額も架かっていました。皇大神宮と石部神社の間に天満宮が祀られていました。

 主祭神:天日方奇日方命、合祀神:大山積神、大己貴神、大物主神、事代主命、健御名方命、高彦根命、瀧津彦命
 祭礼日:元旦祭・1月1日、元始祭・1月3日、節分祭・2月3日、祈念祭・2月17日、夏越祭・6月末日曜日、大祭・10月15日前の日曜日、感謝祭・11月23日、
 境内社の祭礼日:天満宮祭・7月25日、皇大神宮祭・5月第4日曜日
 境内社:皇大神宮(天照大御神、品陀和氣命、太田命(配祀:豐受皇大神、合祀:玉依比賣命) )、天満神社 (菅原道眞公 )
 由緒:神社創立の年代は不詳ですが、式内社として平安時代の延喜式神名帳に登載されているところから、少なくとも千百年以前には、この地に鎮座され、人々の崇敬と参詣により祭儀が盛大に執り行われていたと推定されます。
 御祭神は、磯部族の長として出石の地を拓き、国造りに貢献された、天日方奇日方命を祀っています。
 さて、天明年中ですので今から約200年程前の、谷山で大火が発生した際に、時の城主・仙石公が出馬され、当社頭で消火の指揮をとられたということです。火は折からの烈風に煽られて燃え拡がったところ、いかなる御神威か、社殿屋上より大雨が降り注ぎあたり一帯の火は消滅したと伝えられます。
 現在の神殿は昭和9年に一瀬粂吉氏により一建立されました。
 氏子区分については仙石城主の時代に城下を三分し、旧谷山川以北、出石川以東を石部神社、谷山川以南、出石川以東を諸杉神社、出石川以西を伊福部神社の氏子と定めたという記録があります。
 古来より出石町内には神社が五社あり、毎年例祭に藩主より代参があったといいます。五社とは、諸杉神社、稲荷神社、石部神社、神明宮(現皇大神宮)、八幡宮ですが、その内三社はこの社の境内に鎮座しています。

「但馬国式内石部神社御由緒略記」はこちらで

社号標
「皇大神宮」「式内石部神社」
神社入口
 
境内の様子
拝殿前、明治41年生まれの出雲丹後狛犬
狛犬の拡大写真はこちらで
(明治41年(1908)9月建立)
社殿全景
拝殿正面
本殿
境内社:皇大神宮 境内社:天満宮
境内社:皇大神宮に架かる合祀社社額
「八幡宮」「多茂宮」「稲荷宮」
市指定文化財天然記念物「幸の大ケヤキ」
樹齢:一千年、幹周:8m、樹高:30m