丹波市柏原町柏原(平成14年11月23日)
今回の旅のきっかけとなったのが、ここ柏原八幡神社です。
注連縄の研究をしていらっしゃるOさんから、何枚かの写真でこの神社の注連縄の形が違っているとお聞きして、それでは現地で確かめましょう、と出かけて来たのでした。
神主さんが不在で二回程足を運び、その結果、この神社の注連縄は氏子さん達が相談の上、毎年、創意工夫を凝らした珍しい形の注連縄を作り上げている、とのご返事でした。
この八幡神社は万寿元年(1024)に京都石清水八幡宮の御神体を勧請し柏原別宮として創建された神社で、祭神は誉田別命・息長足姫命・姫三柱命の三神です。
注連縄だけでなく、拝殿、本殿、狛犬、五重塔等々境内の紅葉と相まって、見所が多く、わざわざ遠路はるばる訪ねた甲斐のある神社でした。
八幡神社の社殿前に鎮座する狛犬の一対は、
石工の丹波佐吉の作品です。
文久元年(1861)46歳の時の作品です
神仏混交の名残を残す、三重の塔。
この三重塔は、1814年2月1日
伊能忠敬が第8次測量の際柏原八幡に
立ち寄った時は建設中の由。
道路脇の一の明神鳥居、
ここから坂を上る事になる。
坂道の途中にある摂社
階段の参道
回廊
二の明神鳥居と拝殿
国宝の拝殿
拝殿と五重塔
平成14年の注連縄
摂社・厄除神社前の招魂社系狛犬
国宝の本殿(逆光で映りが悪く、ごめんなさい)
小さな小さな摂社達
「上山家文書」と呼ばれる文献によれば、大坂の仕事場で製作され、瀬戸内海から加古川の舟運を経て氷上町本郷の舟座で陸揚げし運搬されてきたもので、俗に「浪花狛犬」と呼ばれるものである。江戸時代後半から、庶民も神社へ狛犬を奉納する余裕が出たのであろう、参道狛犬が大量に作られ奉納されたとおもわれる。そこで浪花狛犬のように石材の産地と加工地、消費地を水運で結ぶ流通形体が確立し「尾道狛犬」「出雲狛犬」などとともに、加工しやすい水成岩の産地である和泉地方が背後に控える大坂は主要な狛犬の産地となっていたようである。
(磯尾柏里刻)