當勝(まさかつ)神社

朝来市山東町粟鹿2143(平成20年8月30日)

東経134度54分41.2秒、北緯35度17分19.71秒に鎮座。

 この神社は遠阪トンネル有料道路・山東ICの南約1.2kmに鎮座しています。遠くから豊かな森が見えますが、この社を中心に約3haにわたり社叢林が広がり、その中には樹高約30mの大杉が神木として信仰されている他に、推定樹齢350〜400年の巨樹古木、シラガシやサカキなどが混生して、市指定天然記念物となっているそうです。
 社頭の一の鳥居から随身門に至る参道には、六の鳥居まで建立されており、この点でも如何にこの社が篤い崇敬を受けているかが歴然とわかります。又、境内入口の市指定重要文化財・随身門は珍しい唐門で、様々な彫刻類が施されています。随身門を潜り境内にはいると、社殿へと続く参道脇には屋根で手厚く保護された明治40年生まれの出雲丹後狛犬が見られますが、ずっと屋根下で保護されてきたせいか、この年代の出雲丹後狛犬としては破格に良好な保存状態で、狛犬を此処まで大事にしてくださる神社関係者に頭が下がる思いがしました。
 入母屋造りで大きな唐破風が付けられた拝殿屋根上に、巨大な狛頭が屋根を囓っているのにはビックリ!! 又、様々な向拝彫刻は皆エビス顔で、見ているこちらも思わず頬がほころんできます。木鼻も吽が自分の脚を咥えていたりと、この社を造営した宮大工さんのユーモアのセンスに溢れたお人柄が伝わってくる彫刻類でした。
 本殿左には靖霊社、當勝天神が祀られ、右手には逆杉社、その奥石段を上がった杜の中に當勝稲荷大明神が祀られています。

 御祭神:正哉吾勝勝速日天忍穂耳命他
 境内社:逆杉社、靖霊社、當勝天神、當勝稲荷大明神
 由緒:創建は奈良時代の天平2年(720)と伝えられる古社です。開運繁栄の神、 万物創世の神、織物の神の三柱が祀られる宮として、但丹三国に広く尊信を集め、武官の木造二体が安置されている随身門と古宮(旧本殿)は共に市文化財に指定されており、 とりわけ古宮の彫刻は仲井言次忠定といった当時の工匠の技が存分に発揮された力作で、 その装飾的技術は近隣に類を見ないものだそうです。
 現在の本殿は安政6年(1859)、拝殿は慶応4年(1868)に建てられたものです。又、旧本殿の古宮に祀られる「當勝天神」は合格祈願、学問成就の神として受験期には大いに賑わいをみせるそうです。

社号標「當勝稲荷神社」 社頭 一の鳥居
石段の参道 二の鳥居
三の鳥居 四の鳥居 五の鳥居 六の鳥居
参道最後の石段
市指定重要文化財・随身門
随身門向拝彫刻
この随身門も目をむいた力士さんが
力一杯踏ん張って支えています。
境内側から見た随身門と絵馬堂
こちら側の向拝彫刻は戯れる二匹の狛犬です。
絵馬堂に架かる奉納絵馬
境内の様子
それぞれお家を貰って保護されている明治40年生まれの出雲丹後狛犬
狛犬の拡大写真はこちらで
(明治40年(1907)7月建立)
市指定重要文化財・慶応4年(1868)造営の拝殿
拝殿屋根上からの厳しい視線を感じ、ふと見上げると、
巨大な狛犬が屋根を囓りながら、盛んにガンを飛ばしていました。
拝殿向拝彫刻・鳳凰
拝殿向拝彫刻・七匹の狛犬
拝殿向拝彫刻・笑う龍
拝殿正面向き木鼻も笑う狛犬ですが、阿は口中に玉を含み、何と吽は自分の脚を咥えています。
安政6年(1859)造営の本殿
境内社:逆杉社
逆杉社の小さな神殿狛犬
境内社:靖霊社
境内社:當勝天神
旧本殿で古宮と呼ばれ、合格祈願、学問成就の神として受験者で賑わうそうです。
境内社:當勝稲荷大明神
入口と参道
社殿前にいらっしゃるお狐様
當勝稲荷大明神社殿