大疫神社

尾道市因島重井町2938(平成20年3月24日)

東経133度8分47.99秒、北緯34度20分16.49秒に鎮座。

 この神社は重井小学校の西約150mに鎮座しているのですが、どの地図を見ても「祇園神社」と記載されています。御祭神名が書かれた板も真新しいので、最近社名変更されたのでしょうか? 
 入口には注連柱が建ち、民家の間を通る参道上に神明鳥居が建立されています。境内は石段が組まれた石段を上がったところにあり、開放的な拝殿とその後ろの石垣上に本殿が建立されています。そしてここでは拝殿と本殿の間に狛犬が奉納されていました。また境内左上、斜面の中程に祀られた境内社には、あらぬ方向を向いた狛犬も居ます。

 御祭神:須佐男之命、八十禍津日命、大山積命
 由緒:案内は無く、御祭神は上記三柱ですが、勧請年月・縁起・沿革等は全て不明です。
ウェブ上でこの社を検索したところ、因島には隠島神社と伝えられる社が四社あり、この社もその内の一社だそうです。因みにその四社とは、隠島神社(因島中庄町)、大疫神社(因島重井町)、齋島神社(因島大浜町)、住吉神社(因島外浦町)で、島名も、昔は隠島といい、その後水軍がなくなって院島に変わり、最終的に明治頃今の因島という島名変更をしてきたのだそうです。
 意外と古社なのかもしれませんね。

神社入口
参道の神明鳥居
参道の様子 境内入口
開放的な拝殿
拝殿内の様子

拝殿と本殿の間にいる文政7年(1824)生まれの狛犬
肩から胸の筋肉の発達した逞しい狛犬ですが、阿の上顎が欠けています。阿は垂れ耳で鬣はカールし、吽は角を付け、耳を横に張り、ストレートヘアーです。尾は双方ともに付け根が渦を巻き、先は何本かに分かれ立っています。
狛犬の拡大写真はこちらで
(文政7年(1824)9月建立)
本殿
境内左上、斜面の中程に祀られた境内社
玉乗りで建立年代不明ですが、何故か正面から見ると後ろ向きに設置されています。その時は沖縄の村落石獅子のようにヒーゲーシ(火返し)・サンゲーシ(山返し)・フーゲーシ(邪気返し)・ナンゲーシ(魔除)の役目を負ってあらぬ方向を向いているのか…とも考えましたが、改めてこうして見ても、わざわざ阿吽を反対位置に設置した理由は理解できません。あえて言うならば、この狛犬の向いている方向には瀬戸内の海を介して佐木島があります。この社は須佐男之命を主祭神とする厄災除けの神社ですから、その昔佐木島と何か因縁話があり、そのためにこの狛犬が建立されたのか?という考え方ですが、余りにも荒唐無稽で穿ちすぎ…と、本人も笑ってしまうような考えでした。果たして真相は如何に?
狛犬の拡大写真はこちらで
境内から見る因島重井町の町並み