門八幡神社

福山市熊野町(平成20年3月23日)

東経133度20分30.41秒、北緯34度25分43.09秒に鎮座。

 この神社は熊野小学校の南東約500mに鎮座しています。町名が「熊野町」で、どの地図にも「熊野神社」と有るのですが、実際は境内正面には立派な建物の「門八幡神社」の社殿が建立され、熊野神社は境内社となっているようです。
 入口には石垣が組まれ、嘉永7年建立の狛犬が居ます。参道は杉の林の中を真っ直ぐに延び、二基の鳥居が建立されています。境内入口には随神門が建ち、そのすぐ後ろには天保8年(1837)建立の玉乗り狛犬が控えていました。境内正面には立派な建物の「門八幡神社」の社殿が建立され、社殿両脇には境内社二社と観音堂が祀られていました。
 氏子さん達の崇敬の念が感じられる綺麗で手入れの行き届いた、また静かで落ち着いた佇まいの神社でした。

 御祭神:誉田別之命(応神天皇)、息長足姫命(神功皇后)、市杵島姫命
 例祭日:旧8月15日、旧9月15日
 境内社:随光神社、熊野神社、観音堂
 由緒:創建は不詳ですが、昔別当寺だった光林寺の古文書によると、「応永年中(1394〜1427)疫疾大流行し願主渡辺越中守高が悪疫退治・鎮護の為立祀勧請して八幡宮と称した。」とあります。又ほかにも寛永元年、草深の寄ノ宮八幡神社から分霊したという文書も残っているようです。
 明治5年村社に列し、明治40年神饌幣帛料供進神社となりました。
 本殿は、棟札によると寛永元年(1624)、天明元年(1781)に、拝殿は元文元年(1736)に再建されているようで、古くは草葺き屋根だったようですが、昭和40年瓦葺きに改修されました。
 熊野神社は熊野久須比神を祀り、町名の興りともなった神社ですが、黄幡神社・次郎丸の荒神社・熊野権現の三神を合祀し、現在は門八幡神社の境内社となっています。
 随光神社は稲荷神社で、御祭神は豊受大神です。

神社入口
入口にいる嘉永7年(1854)生まれの狛犬
若々しく、胸を張り尾を立てて、威嚇しています。前足の付け根の波模様が変わっていますね。
狛犬の拡大写真はこちらで
(嘉永7年(1854)寅8月吉日建立)
参道の一の鳥居 参道の二の鳥居
随神門
随神門の後ろに控える天保8年(1837)生まれの玉乗り狛犬
玉乗り狛犬としては前足の造りが自然で、尾の装飾が華やかです。とても丁寧に造られた良い狛犬です。
狛犬の拡大写真はこちらで
(天保8年(1837)丁酉10月吉日建立)
拝殿
拝殿内の様子

本殿
境内社:随光神社の社額
「高照大明神・正八幡大菩薩・随光明神」
境内社:随光神社拝殿
随光神社本殿
社額 境内社:熊野神社
熊野神社拝殿内の様子 観音堂
観世音菩薩が祀ってあります。