小高神社

利根郡昭和村糸井(平成18年7月2日)

 この神社は関越自動車道・沼田ICの南南東約1.5km、251号線・沼田赤城線に面し、昭和東小のすぐ傍に鎮座しています。
 境内に入り、まず驚かされるのは神楽殿で、その大きさは余り類を見ないほどです。拝殿には、蟇股に亀の親子と波、挙鼻に龍、木鼻に狛犬、扉には龍が四匹彫られ、見事な彫刻が彫られた社殿が多い群馬県の社殿の中でも、素晴らしい拝殿だと思いました。また社地も比較的広く、境内社、末社が多数あります。
 案内によると、「小高神社は平安時代の歴史書「三代実録」に「貞観5年(863)5月9日上野国小六位小高神社に従五位下を授く」とある式外社です。また、「後上野志名跡考」には従一位と記載されており、「上野国神明帳」に記載されている利根郡21社中の筆頭であり、武尊神社の総社と見なすことが出来る。」とあります。
 また、村指定重要文化財となっている素晴らしい神楽殿は、木造、瓦葺きで、表の梁には唐草模様の彫り物があり、製作年代は不明ですが、造りが貝野瀬武尊神社舞殿によく似ているため、江戸時代末期の文化・文政年間ではないかと推定されています。明治初年に東京の歌舞伎役者・尾上菊五郎の門下に入り、尾上扇之助と名乗り有名な役者となった、ここ糸井出身の見城駒吉が帰郷してから、多くの村民が師事し、地芝居が盛んに行われました。その舞台となった場所が、ここ小高神社の神楽殿で、「セリ出シ」、「セリ込み」、「ヒラキ」、「天井ツリ」、その他どの段にも不自由がないように大道具、小道具が揃えられたといわれています。(奥利根ゆけむり街道参照)

社号標 境内入り口
神楽殿 拝殿
蟇股に彫られた亀の親子と波
挙鼻の龍。狭いところから今にも飛び出しそうな感じです。
木鼻の狛犬。精緻に彫られた良い作品です。
拝殿扉に彫られた龍四態。扉に彫られた物はとても珍しいと思います。
本殿 末社群
道祖神と日向・生目八幡宮 琴平大神
境内社