赤城神社

前橋市三夜沢町114(平成19年5月27日)

東経139度10分52.6秒、北緯36度28分52.67秒に鎮座。

 この神社は国道353号線・三夜沢信号から16号線に入り、2.1km程北上すると、赤城山南麓となる突き当たりに鎮座しています。入口左側には大きな駐車場があるのに、入口の鳥居前には何台のも車が止まります。「どうしてこんな所に…?」と常識のなさを疑問に思っていると、車から降りた人は大きなポリタンクを何個も抱えて境内に入っていきます。ここには有名な「赤城神社の湧水」が有り、沢山の人達が水をいただきに来ていたのでした。帰りには水が満タンで重いポリタンクを、なるべく短い距離で運ぼうと、入口鳥居前の駐車が多いのでした。
 白木の一の鳥居を潜ると、境内には木々が生い茂り、マイナスイオンを沢山含んだ空気に充ち満ちています。境内に入って右手には神池があり、その側に、神代文字の碑がありました。神代文字は素人の私達にはハングルが書かれているとしか見えない文字でした。ハングルは1446年に李氏朝鮮第四代国王である世宗が、「訓民正音」の名で公布した朝鮮語(韓国語)を表記するための表音文字で何の関連もないはずですが、日本の神代文字も表音文字の様ですから、何処か共通点があるのでしょうか?
 脱線しましたが、境内に足を踏み入れると、正面には向拝のない厳かで大きな拝殿が建ち、拝殿の後方、一段高く中門が建ち、垣の中に本殿が見えます。その中門の前には、俵藤太が献木したと伝えられる三本のタワラ杉が聳えています。このタワラ杉のみならず境内には杉の大木が目立ち、又ヒノキやアスナロなども見られました。赤城山山頂の元宮には観光客が目立ち落ち着きませんでしたが、こちらの社は静かで落ち着いた、神域に相応しい雰囲気の神社でした。

 御祭神:赤城大神(大己貴命 豊城入彦命 )
 例祭日:元日祭・1月1日、修請会・1月5日、御鎮祭・3月と11月の10日、御神幸・4月と12月の初辰日、例大祭・5月5日
 境内社:住吉社他
 由緒:赤城神社は、古来赤城山を神体とする山岳信仰に端を発する神社で、延喜式神名帳に名神大社「勢多郡 赤城神社」として記載され、上野国二宮ともなっており、その分社は、群馬県内に118社、全国では334社を数えるといいます。現在、 赤城神社(勢多郡富士見村赤城山、旧郷社)、二宮赤城神社(前橋市二之宮町、旧郷社)、赤城神社(前橋市三夜沢町、旧県社)の3社がその論社となっています。歴史書に記されている「赤城大明神」は赤城山の神のことで、山頂(富士見村)の元宮と、麓の前橋市二之宮町の神社は、山宮と里宮の関係でした。一方仏教の伝来により神仏は習合し、修験者は全国の山深く修行の場を求めて入山し、彼らによって信仰の中心は、里宮より山宮へと移っていき、戦国時代には北条氏により里宮は滅亡させられ、江戸時代に再興されました。
 この社は社伝によると、御諸別命、日本武尊、あるいは履中天皇の御宇の創建と伝えられ、江戸時代初めまで、「三夜沢村明神」を祀る神社だったそうです。
 慶安2年(1649)厩橋(前橋)城主酒井忠世により、五十石の寄進を受け、復古思想の影響により崇神天皇の皇子・豊城入彦命を主祭神とし赤城神社と改め、宝暦12年(1762)正一位に叙せられました。
 明治以降、神社社格の昇格運動が三夜沢赤城神社で起こり、昇格に必要な基本財産獲得に村民一丸となり神社に寄進が成されました。 昭和時代には国幣社への昇格運動が盛んになリますが、豊城入彦命を主祭神では赤城神社の歴史と異なるとの指摘を受けてしまいます。昭和19年、国家神道下の内務省神祇院は、三夜沢の赤城神社に「赤城大神」として、赤城山の神を合わせ祀り、他の赤城神社(富士見村) と歴史の共有性をもたせ、富士見村(元宮)・三夜沢町・二宮町(旧里宮)の神社をあわせて、国幣中社とするとしましたが、終戦により実現はしませんでした。(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より)
 この社に伝わる市指定無形文化財・太々神楽は、始まりは江戸時代に遡るとされます。1月1日の元日祭と1月5日の御鎮祭には、各々2座ずつを拝殿で奉納し、5月5日の例大祭には、境内にある神楽殿で「国堅」・「猿田彦」ほか10座ほどが奉納されます。

由緒書き。

神社遠景 神社入口
社号標「縣社 赤城神社」 白木の一の鳥居
参道の様子 境内への階段左下には、有名な「赤城神社の湧水」が有り
沢山の人達が水をいただきにいらしてました。
阿吽の位置が反対の、昭和12年生まれの狛犬
狛犬の拡大写真はこちらで
(昭和12年(1937)4月建立)

境内入口

向拝のない厳かで大きな拝殿 中門
拝殿の後方、一段高く中門があり、垣の中に本殿が見えます。
内部には県指定重要文化財の内宮殿があるそうです。
境内裏山の末社二社
境内社・住吉社 神楽殿
境内表側に聳えるご神木の大杉