八幡宮

桐生市梅田町4(平成18年5月21日)

【狛見倶楽部 佐野支部 クマちゃん通信員より】
 この神社は、桐生田沼線を田沼方面に向かい、桐生川ダムを過ぎて間もなく、皆沢地区にあります。境内には、「火の見櫓」が残っていました。足利忠綱公が祀られています。狛犬は、居りません。本殿は、桐生市の文化財に指定されています。桐生川の上流になる付近の森は、「水源の森 日本百選」に選ばれています。神社近くにも「水場」がありました。
 皆沢地区には、無形民俗文化財の「百万遍念仏」と云う民俗信仰が伝えられています。

 皆沢八幡宮の御祭神は普通八幡宮でお祀りされている誉田別命ではなく、足利忠綱公というこの地域で活躍した剛将です。「足利忠綱公がなぜこの地に祀られたか?」には哀しく恨めしい、次のような故事が語り継がれています。足利忠綱公は近隣に名の知られた剛将でしたが、足利の領主・上総介足利義兼公の正室・時子の方と不義密通があったという汚名を着せられ、建久7年(1196)ここ皆沢の近くの岩沢の地で自刃させられてしまいました。すぐに嫌疑は晴れたものの、時すでに遅し。あらぬ疑いから、ここを終焉の地としてしまった忠綱公の霊を、上総介足利義兼公がこの地に鎮め、皆沢の村人達は地域の守り神「八幡様」として迎え祀ったというものです。

神社入口 弊拝殿と未だに健在の火の見櫓
桐生市指定重要文化財
「皆沢八幡宮本殿」の標識
本殿覆い屋
桐生市指定重要文化財「皆沢八幡宮本殿」
18世紀後半に建立された一間社春日造・唐破風付柿茸の社殿です。内部には忠綱明神像と伝えられる天文12年(1543)作の木彫の神像が安置されているそうです。それにしても凄い彫刻ですね〜。
「水源の森 日本百選」に選ばれている
「名水 皆沢の水」を育んでいる豊かな森と水場