水無神社

高山市一之宮町(平成17年8月22日)

東経137度15分17.59秒、北緯36度04分55.83秒に鎮座。

高山本線・飛騨一ノ宮駅から南へ500mに鎮座しているのが、式内社であり飛騨国一宮の水無神社です。水無神社略誌によると、御祭神は水無神、御歳大神を主神として、相殿・大己貴命、神武天皇、応神天皇外十一柱、末社・ 延喜式内外十八社及び国内二十四郷の産土神、一宮稲荷、白川社(御母衣ダム水没の白川郷より奉遷)とあります。社名の「水無」は「みなし」、「すいむ」、「みずなし」とも読み、水主の意味だそうです。この神社の南西に位置する位山は、南に流れる水は飛騨川となり太平洋へ、北に流れる水は神通川となって日本海へと流れる分水嶺で、古代から川の水源である位山を水主の神の坐す霊山と仰ぎ、御神体山として奥宮が祭られています。ここのご神木は切ると祟りがあるといわれ伐採されることがない為、深い杜に包まれた広い社地を持つ、飛騨国一宮の風格十分な、まさに神域を感じさせる神社でした。又ここには神門、拝殿前の境内、神殿内と二対の狼と一対の狛犬がいました。

御由緒
神代の昔より表裏日本の分水嶺位山に鎮座せられ、神通川、飛騨川の水主、また水分の神と崇め農耕、殖産祖神、交通の守護(道祖神)として神威高く延喜式飛騨八社の首座たり。
歴代朝廷の崇敬厚く、御即位、改元等の都度霊山位山の一位材を以って御用の笏を献上する。
明治維新、国幣小社に列し、旧来より飛騨一宮として国中の総社(総座)なり。本殿以下二十余棟建築凡七百坪は昭和十年起工、国費を以って改築せらる。
飛騨はもとより美濃、越中、木曽に及んで分社、縁社二十余社を有する。
 祭祀
例祭 五月二日神幸祭、当社醸造の公認濁酒授与、神代踊、其の他奉納
節分祭 二月節分の日、追儺神事
生ひな祭 四月三日、日本唯一の生びな行列の供奉は圧巻
夏越祭 六月三十日、大祓式、茅輪潜に神事
除夜、元旦祭、年越詣
 特殊神事
(一) 神代踊、当社にのみ現存する独特の神事にして毎年五月の例祭及試楽祭に神社前と御旅山で行はれ無形文化財として指定せらる。
(二) 闘鶏楽、飛騨国中の神社にて特殊神事として行はれているも往古当社より伝授されたるものなり、神代踊と共に氏子達百五六十人が揃いの衣裳を着け、円陣をつくり踊る古風幽雅な神事なり。
一宮神楽、雅楽に類するもので国中各神社へ伝授する。
(三) 一宮獅子、例祭、試楽祭のみ奉仕する。
(水無神社略誌より)

境内外の社号標

神社遠景

境内入り口

境内内社号標

大きな絵馬殿

社務所

『夜明け前』の歌碑

神馬殿

白川社
(御母衣ダム水没の白川郷より奉遷)

神門と回廊

荘厳な拝殿

神門内の木彫狼。せっかくの秀作が太い格子越しでは殆ど見えません。

格子にレンズを差し込みやっと顔の部分だけ撮影に成功。精悍な顔立ちのそれでも気品溢れた狼さんです。宮司さんのお話だと江戸中期頃の建立と伝わっているとのことです。

宮司さんのご好意で回廊内の境内に入れて頂きました。この一風変わった狼さんは神門の狼さんを模したものです。神門の狼さんは風格と気品と精悍さを兼ね備えていますが、こちらは何となくうなだれて惚けた感じを受けるのは私だけでしょうか?

(石匠 高山市 下阪彫 昭和28年9月建立)

回廊内のご神木銀杏

灯籠にはこんなに可愛い狛犬達が遊んでいました。

社殿奥深くにはこんな愛嬌のある陶器製の神殿狛犬がいました。

余りよくは見えませんが
素晴らしい流れ造りの重厚な本殿です

境内社・飛騨一宮稲荷神社への階段

飛騨一宮稲荷神社入り口

飛騨一宮稲荷神社社殿

社略誌と狛犬の拡大写真はこちらで