荒城神社

高山市国府町宮地(平成17年8月21日)

高山線・飛騨国府駅の東約4.3km、宮地地区の、473号線と荒城川の間にこの神社は鎮座しています。由緒によると、式内社で創建は不詳、大荒木之命,國之水分命,天之水分命,彌都波能賣神を祀っています。この聞き慣れない大荒木之命は、高御牟須比命の13世のお孫さんです。この神社、昔には「河伯大明神」と呼ばれ、天之水分命・國之水分命を祀っていたところから元来は河神を祀った神社であったようです。国指定重要文化財の本殿は元中7年(1390)の建立で藤原様式を伝える三間社流造こけら葺です。また例祭には県重要無形文化財の獅子舞、鉦打が奉納されますが、笛や太鼓の囃子で獅子の二人舞が賑やかに披露されます。一説には鎌倉時代の荒城郷地頭職・多好方(おおのよしかた)が楽人だったので、 この獅子舞と鉦打は多好方が伝えたともいわれています。何れにしろ重要文化財の獅子頭(鎌倉時代1個、室町時代1個、安土・桃山時代1個)が残されていることからも、中世の芸能を連綿と引き継いできたといえましょう。広い境内に豊かな社叢、落ち着いて重厚な社殿と、式内社、旧県社に相応しい雰囲気のある素敵な神社でした。

(皇紀2600年(昭和15年)建立)

由緒書きはこちらで

(岩佐石材店  昭和40年春)

神社入り口

豊かな社叢の様子

所謂高山タイプの狛犬としょうわ狛犬をかけ合わせたような狛犬です。

荒城社社殿入り口

境内の様子

拝殿

藤原様式を伝える三間社流造こけら葺
国指定重要文化財の本殿

忠魂社入り口

忠魂社拝殿

忠魂社本殿正面

忠魂社の社叢

忠魂社のしょうわ狛犬。元々がしょうわ狛犬としては出来が良いと思いますが
雨に濡れるとこの狛犬でも風情が出てくるようです。

忠魂社社号標