白鳥(しろとり)神社

郡上市白鳥町白鳥(平成20年11月22日)

東経136度51分39.1秒、北緯35度53分7.87秒に鎮座。

 この神社は美濃白鳥駅の北西約500mに鎮座しています。長滝の白山神社から南下してきたのですが、この5kmで雪の積もり方が大分違い、スキーには行っていますが、この時期の雪の降り方や雪国の生活を全く知らない私達には大変な驚きでした。
 入口には珍しい素木鳥居が建ち、参道脇には狛犬が2対奉納されています。鎮守の杜は県天然記念物に指定されているケヤキ等を中心とした広葉樹の森というふれこみでしたが、どれも巨樹と言うには少し小さい木で、「?」と思っていたら、境内左に嘗てのご神木の切り株を納めた鞘堂があり、伝樹齢1300年というケヤキの大木は枯死してしまったようです。市重要文化財指定の本殿は覆い屋で保護され、間近に拝見できませんが確かに沢山の彫刻が施された素晴らしいものでした。

 御祭神:伊弉冉尊、日本武尊
 祭礼日:9月18日
 境内社:稲荷神社
 由緒:仲哀天皇の御代、村名もなく只茫々たる広野の中に六戸の小家がありました。そこに一羽の巨大な白鳥が来て数日間空中を舞うのを人々は奇異に思いましたが、暫くして白鳥は空高く飛び去り、里人はあの鳥は尋常の鳥ではなく日本武尊の神霊で有ろうと思いました。白鳥は一枚の羽を落としていきましたが、人々は之を拾い小箱に納め岩上に置き之を祀りました。
 元正天皇養老年中白山頂上に白鳥が来現し、泰澄大師に先立ちここに至りました。泰澄はここを霊地と感じ、七堂伽藍を建立、白鳥寺を造営し、同時に白山頂上の伊弉冉尊を合祀し一社を創立しました。之が白鳥社で、里人は白鳥の舞った土地を白鳥村と名付けました。
 その後将軍足利義政の代・地頭が永久保存のため田を寄進しました。
 本殿は嘉永5年に再建されています。

 又、ここは郡上八幡の徹夜踊りと同様の、白鳥踊りの発祥の地だそうです。「白鳥踊り」には、神社の拝殿で江戸時代中期頃から踊られている「拝殿踊り」と、戦後から街路にて町内踊りの形で行っている「白鳥おどり」の二つがあり、「拝殿踊り」は、キリコ灯籠を吊した拝殿内において、歌い手の唄と下駄で床板を踏み鳴らす音のみが響き渡る幻想的な踊りだそうです。「白鳥おどり」は、拝殿で伝承されている踊りの中から代表的な曲を選び、街路にてお囃子の屋台を中心に輪になり踊るのだそうです。
 白鳥の踊りの特徴は二つあり、一つは神仏習合時代の名残であるキリコ灯籠を吊し、その下で踊るということ。もう一つは、素朴な匂いを残しながらも、アップテンポな曲が多く、若者を始め踊り好きな人々を魅了する躍動的な踊りとなっていることで、現在、神社だけでなく、町をあげて「白鳥おどり」を、毎年7月下旬〜8月下旬まで20夜余りにわたり行っています。特に8月のお盆には「徹夜おどり」として、キリコ灯籠が照らし出す屋台を囲み、全国から集まった踊り好きと地元の人々が夜を徹して踊り明かすのだそうで、是非とも拝見、出来れば参加したいお祭りですね。

社号標 神社入口 素木鳥居
境内入口の昭和10年生まれの滋賀タイプ狛犬
(昭和10年(1935)9月建立)
拝殿と県天然記念物に指定されている
ケヤキを中心とした広葉樹の森
拝殿前、皇紀2600年生まれの厳つい狛犬
(皇紀2600年・昭和15年(1940)9月建立)
市重要文化財指定・本殿覆い屋と神門、透かし塀
市重要文化財指定・本殿
市重要文化財指定・本殿彫刻
本殿縁にいる陶器製狛犬
境内社:稲荷神社
稲荷神社の眷属・お狐様

嘗てのご神木鞘堂と、格子の隙間からほんの少しだけ見えるご神木の切り株
神苑と神池 境内の様子
神池傍にいる一体だけのごつい見返り狛犬