明宝寒水(めいほうかのみず)白山神社

郡上市明宝寒水1203(平成21年5月2日)

東経136度59分36.37秒、北緯35度51分12.48秒に鎮座。

 この神社は郡上八幡の市街地から国道472号線で北上し、明宝大谷から寒水川沿いに82号線で約2km程遡ると、公民館上に鎮座しています。私達が持って行った地図の神社マークとは大分離れた位置にあり、周囲をぐるぐると回ったあげく神社の後方に出てしまい、又、少し下まで戻ってやっと寒水川沿いの入口にたどり着いた、ナビ役の私としては苦い思い出の神社です。
 社地の殆どは杉の木が鎮守の杜を形成し、参道も境内も昼尚薄暗い中、石畳の参道が続き、正面に赤い屋根の拝殿、青い屋根の本殿が建立されています。ところが脇に廻るともっと奥に社殿が見えるではありませんか。本殿と思っていた建物は実は幣拝殿だったのです。本殿は中央に大きな流造りの建物が建ち、左右に脇殿が建立されています。白山神社の神は三柱なのでそれぞれの神を祀った社殿なのでしょう。
 拝殿には「白山大権現」の社額が掲げられており、古い大きな絵馬も奉納され、銀幣社らしく本殿正面には確かに銀色の幣が置かれています。又、入口にはこの社の歴史を示すように、文化財名が書かれた木の柱が沢山立てられています。

 御祭神は菊理媛神(白山比盗_・白山権現)、伊弉諾尊、伊弉冉尊でしょうが、案内は無く、勧請年月・縁起・沿革等は全て不明です。が、寒水から大洞峠を越えて旧白鳥町・六の里へのルートは、かって北陸から鎌倉に向う鎌倉街道の一部であったと言われ、又、飛騨方面からの白山登山や長滝寺への参拝路としても頻繁に往来があったといいますから、往時この社も前宮として大変賑わっていたことは容易に肯けます。
 毎年9月8・9日の例祭に奉納される「掛踊」は国指定の選択無形民俗文化財となっており、宝永6 年(1709)に隣村の母袋村から寒水に伝わったという永い歴史を持つ伝統神事です。総勢130名余りの役者たちが参加する勇壮かつ厳粛な踊りで、特に神社拝殿前で長さ3.6mものシナイを背負い、太鼓や鉦を胸に付けた四人の若者が力強く舞い踊る場面は、この掛踊りの最大の見せ場となっています。
 詳しくは郡上の映像 movie of gujo: 郡上市内や郡上八幡の動画サイト日本!(念仏・風流)No.17 寒水の掛踊 でどうぞ

神社遠景
社頭
入口の明神鳥居 社号標
「銀幣社 白山神社」
参道・境内の様子
拝殿 拝殿に架かる額
「白山大権現」
拝殿に架かる奉納絵馬
右側の漆黒の馬は名馬「磨墨(するすみ)」でしょうか?
幣拝殿
本殿 側面と正面
本殿脇にいる文政8年生まれの狛犬
素朴で暖かい目をした可愛い子達です。鬣は細い線で表現され、尾は真っ直ぐに背に張り付いて先だけがチョコッと出ています。細い前脚で踏ん張り、お尻はしっかり落として蹲踞しています。
狛犬の拡大写真はこちらで
(文政8年(1825)旧8月吉日建立)
右脇殿 左脇殿

神社前の景色と寒水川の清らかな流れ