白山中居神社

郡上市白鳥町石徹白2-48(平成21年5月2日)

東経136度46分19.3秒、北緯35度59分15.65秒に鎮座。

 この神社は霊峰白山の南約10km、東海からの中美濃馬場登拝口・石徹白に鎮座しています。去年11月には雪に阻まれ、参拝を断念した経緯があり、今回の参拝旅行のメインとなる神社でしたが、この時期でも神社の境内には残雪があり、「去年無理してここまでこなくて良かったね〜。絶対途中で動きがとれない状態になっていたよね〜。」と去年の決断の正しかったことを再確認しました。私達は今回も白鳥町に泊まる関係から、国道156号線から県道314号線を経由して127号線に入り神社を目指しましたが、洲原神社の宮司さんがおっしゃっていた通り、とても遠い道のりでした。昔の人はこういう山道を歩いて参拝したのですから、苦労の分だけ信仰心も厚くなり、神社に到達したときの充実感も、大きかったのではないでしょうか?
 この社の鎮座する石徹白(いとしろ)は、白山頂上と長滝寺との中間地点にあり、白山信仰が隆盛の時代には「白い神の郷」と呼ばれ、古くは天領として、藩政時代には神に仕える村としていずれの藩にも属さず、名字帯刀を許された一種独特な村でした。明治維新までは住民は社家と社人に別れ、社家は神に仕えることを本職とし、夏は白山参詣の道案内と宿坊を営み、冬は全国各地の信者に御札を配ることを生業としていました。(「白山文化の里」より)
 入口に建つ両部鳥居のすぐ後ろから巨杉の森は始まり、石段を下りるとすぐ右手には神池・水芭蕉の咲く湿原が広がり、大杉木立の中の参道脇には境内社・猿田彦社(道祖神社)が祀られています。参道は一旦宮川に向かって下り、橋を渡ると、又対岸の境内に向かって登ります。境内はそれほど広くは感じませんが、「泰澄堂跡」碑や菊理媛大神を祀る大宮殿、「金運招福の玉」や二対の狛犬が護る須賀・地造神社、石段参道が付けられた石垣の上には覆い屋に保護された、彫刻が県の重要文化財に指定されている本殿が建立されています。又、本殿周囲には140本余りの大杉が社殿を取り囲む様に林立し、背面にひろがる「ブナ原生林」、「浄安杉」は県の天然記念物となっています。

 御祭神:菊理媛神(白山比盗_・白山権現)、伊弉諾尊、伊弉冉尊
 祭礼日:例大祭・正月三箇日祭、5月15日、5月第三日曜日、7月18日(創業祭)、10月20日 (中祭・小祭 省略)
 境内社:新嘗社(大日霊貴大神 養老年間創立)、皇祖美社(磐長姫大神 前に仝じ)、須賀神社(素戔鳴大神 前に仝じ)、地造神社(大巳貴之大神 前に仝じ)、道祖神社(猿田彦大神 前に仝じ)
 由緒:本社の創立は、景行天皇の御宇12年( 82)6月15日、吉備武比古、国家鎮護のために祀られたが創始とされ元正天皇の養老年間、僧泰澄白山を開くため、石徹白に来られて、社殿を修め、社域を拡張されて神仏混交の元を開かれました。明治維新になり神仏分離となり、仏像及び年代の奉納品は中在所大師堂に祀り所蔵されております。
 神位は 国内神明帳に、正一位白山大明神と記され、天武天皇、聖武天皇の両朝に 神剱、神馬の奉納があり 御宇多天皇の御代、藤原氏の女神鏡を供進して祈願され、御桜町天皇、青倚門院様より戸張の寄進を賜わっています。朝臣武門では、藤原能信、藤原秀衝、今川義元、織田信長、柴田勝家 それぞれ神宝を寄附して崇敬の誠を尽され、天正18年(1590)には、伊藤秀盛 その主豊臣秀吉の為に立願状を捧げ、徳川家康は代参を遣はされて祈願所とされました。
 神領は山中六ヶ村、東西三里、南北七里に亙り、慶長年中太閤検地に際し除地、年貢免除とされ 萬延元年 神祇管領卜部朝臣より白山中居大神宮の号奉っております。
 神職は維新以前迄、神頭、幣主、祝部、神楽司、社家、社人に別れ世襲して奉仕し信徒は明治中期に至る迄非常に多く、伊豆、駿河、遠江、三河、尾張、伊勢、近江、美濃、飛騨、信濃、越前の諸国に亙っておりました。

 「白山中居神社マップ」「白山国立公園」「白山中居神社の由緒」「白山登山道絵図」「浄安杉」拡大写真はこちらで

社頭
入口の両部鳥居 社号標
「金幣社 
白山中居神社」
入口にいる昭和18年生まれの狛犬
阿吽の鬣が異なり、姿勢の良い狛犬で、吽には小さな角が付いています。
狛犬の拡大写真はこちらで
(昭和18年(1943)8月吉日建立)
入口の石段を下りると、参道右側に神池と水芭蕉の咲く湿原が広がっています。
今を盛りと群れ咲く水芭蕉
この大杉の間を参道が通されています。 大杉根元に置かれた「いぼとり石」
大杉木立の中の参道
参道左に祀られている境内社:猿田彦社(道祖神社)
杉木立の中を参道は宮川に向かって下っています。
宮川に架かる橋
橋から見る宮川左右の流れ
宮川から参道は境内に向かい上がって行きます。
境内入口 「泰澄堂跡」碑
境内入口にいる昭和12年生まれの岡崎現代型狛犬
(昭和12年(1937)10月建立)
菊理媛大神を祀る大宮殿
境内社:須賀神社・地造神社 拝殿
須賀神社内に置かれた「金運招福の玉」
左・地造神社、右・須賀神社 本殿
地造神社を護る石製の神殿狛犬
笏谷狛犬でしょうか。
須賀神社を護る木製の神殿狛犬
 
境内の様子
縄文時代末からの祭祀場でもあり、霊峰白山遥拝所でもあった「磐境」
本殿覆い屋
本殿

「白山中居神社御本殿」案内と彫刻の拡大写真はこちらで

西相殿:皇祖美社
東相殿:新嘗社
境内に聳える杉の巨樹
本殿周囲には140本余りの杉が社殿を取り囲む様に林立しています。
神社手前約2kmより見えた、未だ残雪が残る野伏ケ岳?