八幡神社

郡上市八幡町小野(平成20年11月22日)

東経136度57分58.56秒、北緯35度44分55.5秒に鎮座。

 この神社は郡上八幡城の南東麓、吉田川右岸に鎮座しています。「八幡町」という地名の起源となった神社だそうですが、社号標の大きさ、案内の仕方などを見る限りでは現在は天満宮の方が優遇されているように感じました。

 御祭神:誉田別命、菅原道真公
 祭礼日:1月1日・元旦祭、2月第4日曜日・天満宮祭 祈年祭、4月第3土・日曜日・八幡神社春祭、7月15日・若宮神明祭、8月25日・天満宮夏祭 水神風鎮祭、11月23日・勤労感謝祭、12月31日・大祓式
 由緒:鎌倉時代初期、順徳天皇の第二皇子誕生の正月三日、初夢に「人畜に危害をもたらす鷲を退治せよ。」との霊夢があり、鷲退治の勅令が武蔵権守藤原頼保に発せられました。一行が美濃国厚見郡の長良川にさしかかったとき、川上から流れてきた八幡の文字の現れ出た鷲の羽を拾い、権守は是を携え更に東北に進み、小野村の岩間にさし、村人達に神霊として祀るように伝えたのが始まりと云われています。以後八幡宮として市祠を建てその羽をご神体としました。けれど当時の八幡宮は現在の八幡城天守の付近でした。
 永禄2年(1559)、時の城主・遠藤盛数公が築城に際し社殿を現在の山麓に遷座したとされています。
 その後も歴代の城主に熱心に敬われ、青山藩主が寄進したという鎧や刀、絵馬などが所蔵されています。 加えて永年伝承の大神楽は連綿と伝承され平成7年には県重要無形民俗文化財に指定されています。
 合祀社の天満宮のご神体は約1mの白石の中に黒く官公の霊像が現れた奇岩で、福井県大野市小山荘の真名川から出現したものですが、時の城主・金森頼錦公の領地内だったので、この地の八幡神社の傍らに祀られたものです。

 4月第3土・日曜日に執り行われる春祭は岸剱神社・日吉神社・八幡神社三社の大神楽競演が見ものだそうで、郡上八幡に春の訪れを告げる大事な祭礼です。朝早くから神楽の音が山間の町に響き、両日は街のどこかで神楽が打たれているそうですが、もともとは日吉神社と岸剣神社とで行われていた祭礼を、小野八幡神社も秋祭りを春祭りに変更して三社が一緒に執り行う事となったのだそうです。日吉神社は雄獅子、岸剣神社は女獅子がでて日曜日の夜の打ち上げで神社へ戻る獅子の名残惜しげな様、町内の氏子が提灯を持って迎える様は実に情緒ある風景だそうですし、八幡神社は豪快な奴踊りなど見どころ満載のようです。
 県・重要無形民俗文化財の小野八幡神社大神楽は、八幡城主遠藤友常が京都より勧請し、寛文7年(1667)に初めて祭礼を行ったと伝えられています。

「八幡神社天満宮由緒」はこちらで

神社遠景
社号標
「郷社八幡神社」
社号標
「小野天満宮」
神社入口と台輪鳥居
八幡神社拝殿前にいる昭和7年生まれの狛犬
滋賀タイプの若々しい狛犬です。
狛犬の拡大写真はこちらで
(昭和7年(1932)9月建立)
拝殿
左が天満宮、右が八幡神社の神々が祀られているようです。
拝殿左に架かる額「天満宮」 拝殿右に架かる額「八幡大神」
拝殿内の様子
中央御簾内に獅子頭が置かれています。
本殿覆い屋と流造の本殿
神社前の様子
吉田川の清流と八幡町の町並み