日吉神社

安八郡神戸町神戸(平成17年3月20日)

 この神社、正式には日吉神社上宮(かみのみや)といい、弘仁8年(817)伝教大師・最澄が創建された神社です。現在でも神仏混合のなごりを色濃く残しており、境内の三重塔、本殿内の十一面観音および地蔵菩薩像は国重文です。
 毎年5月3日〜4日に7基の神輿が松明に守られ、琵琶湖になぞらえて設けられた川を渡り、神前に進むという豪快な火まつり神事「神戸山王まつり」 が行われます。
 此処は三重の塔が残っていたり本殿内に仏様が安置されていたりと不思議な神社ですが、広い社域全てが濃い社叢に囲まれ、狛犬としては非常に珍しく国の重要文化財に指定されている天正5年(1577)不破河内守公奉献の狛犬のレプリカが見られたり、全てが檜皮葺き流れ造りの社殿であったりと私の中の『今回の一押しの神社』となりました。

(大正4年4月建立)

(昭和18年4月建立)

(阿の左足には「天正五丁丑季五月吉日」、(1577年)
吽の右足には「不破河内守光治造立」の文字が刻み込まれているそうです。)

(昭和27年11月建立)

屋根付両部鳥居と遙かに続く参道

三重の塔(国重要文化財)
永正年間斎藤利綱が建立し、
天正13年(1585)稲葉一鉄が
修造したもの。

本殿の狛犬を模倣または意識して造られたのか、製造年代から見ると
明らかに古い形態をなしている大正生まれの狛犬。

余りの素晴らしさに本殿のパノラマ写真を作ってみました。

唯一瓦屋根の拝殿

本殿は、1630年尾州候の寄進によるもので、
県の重要文化財に指定されています

本殿の左右に建ち並ぶ摂社4社。
何れも檜皮葺き流れ造りの屋根が美しい曲線を見せている。

境内の狛犬。これでは神様を充分お守り出来ないのでは・・?と
危惧している。

レプリカとはいえ、殆ど本物そっくりの出来のようです。台座に国宝とあるのは、「この様な素晴らしい物は「国の宝」として伝承していく。」という意味合いを持たせた物、ということのようです。

境内社・招魂社

招魂社の社殿

招魂社の狛犬は植え込みの中で隠れん坊です。

境内社・日吉牛尾之宮

摂社・大物志神社

摂社・亀殿神社

日吉神社について、狛犬の拡大写真はこちらで

社殿前で、お互いを見つめるように向かい合う、不破河内守光治公が造立した
天正5年(1577)5月吉日建立の狛犬のレプリカです。
(本物は重文指定ですので、三重の塔脇の収蔵庫内に保管され、非公開とのことです。)