熊野神社

この神社は郡山駅の北約1.2ｋｍ、355号線の久保田信号の角に鎮座しています。神社といっても元は何方かの屋敷神の様に極小規模のお社です。道路端の駐車スペースの奥に良く手入れされた参道(お庭？)があり、鳥居が建ち、小さな石の祠が鎮座しています。でも……ここには小振りながらとても出来の良い狛犬が一対と、面白い先代が一体、木陰に隠れるように棲息していました。傍でお掃除をしていた方に神社名や由緒などをお聞きしたのですが「ここの氏神様で昔からあるもので何も分かりません。熊野神社といっている人がいます。」程度で、余りに身近すぎて神社の名前も神様も、考えたことも必要もない、という感じでした。これが本来の神社の在り方だったのでしょう。と、一人納得。

極々小さいながら、精悍さと優雅さを兼ね備えた美形狛犬です。耳の微妙な曲線や、鬣や尻尾の流れ、体毛や爪など細かく丁寧に彫ってあります。顔の表現もうまく、全体とのバランスも良く調和がとれています。一目で惚れました。

一体しかいなかった先代さん。この子は目がくぼんでいます。熊のような顔と体型です。鬣と尻尾で背中を菱形に開け、その中で毛先が４カ所渦巻き状にカールしています。とても面白い発想です。