須佐神社

行橋市元永1299(平成22年4月3日)

東経131度0分40.33秒、北緯33度42分58.85秒に鎮座。

 この神社は今元小学校の南東約600m、248号線に面して鎮座しています。玉垣中央に建つ「須佐神社・大祖大神社」と掲げられた額を掛けた鳥居を潜ると、明るく広々とした境内奥に石段の参道と鳥居が見えます。その石段手前には二対の倒立と起立の狛犬、又、石垣上の玉垣後ろにも、石段参道途中に立つ鳥居後ろにも狛犬がいます。
 石段参道を上がると、正面に圧倒される高さの城壁のような石垣があり、その上に建つ回廊が見えます。ここで参道は一旦平坦となり左に曲がっています。その参道途中にも狛犬が居て、何とここまでで、五対の狛犬に出逢うことが出来ました。
 境内へ行くには、石垣の上に建てられた左右の回廊の間を通る急な石段を上がります。境内入口正面には幹周3.2mの御神木の大杉が聳え、その右側に双殿造りと呼ばれる、2つの社を1つの拝殿で繋ぐ珍しい形式の拝殿が建っています。向かって左が須佐神社、右が大祖大神社の拝殿ですが、三間社流造りの本殿は別々に建立されています。双殿造りの拝殿は彫刻類など左右が全く同じ造りで、縁に置かれている木製神殿狛犬も双子のようにそっくりに造られています。今まで双殿造りの拝殿は何社か見てきましたが、ここまで寸分違わず相似形にされているのは初めてのような気がします。
 社殿の造り、石垣や狛犬の多さなど、印象に残る素晴らしい神社でした。

 御祭神:建速須佐之男大神、奇稲田比売大神、・八王子大神
 祭礼日:今井祇園行事・7月31日〜8月2日
 境内社:稲荷神社他
 由緒:通称今井のお祇園様と呼び親しまれる須佐神社は、草創・昌泰3年(900)の固有神籬説と建長6年(1254)の伝来勧請説とがある。ともに初め今津金屋にあり天正期に現在地に遷座とする。
 須佐神社は特定地区の氏神ではなくて広く北部九州の守護神である。因に、今井地区の氏神は熊野神社(行橋市今井2203)である。
(「平成祭データ」より)

 県指定無形民俗文化財 「今井祇園行事」
 今井祇園祭は、例年7月15日から8月3日まで行われる、豊前地方を代表する夏祭りです。
 この祭りの起源は、建長6年(1254)、この地方に疫病が大流行したとき地頭職らが京都の八坂神社より祇園社を勧請し、翌年から悪病退散のお礼として始めた祭りにあるといわれている。神社の起源については356年遡る昌泰元年(898)とする説もある。
 現在、祭りの内容は、山車、八つ撥、連歌奉納の三つが中心となっている。山車は日ごろ祓川河口に埋められている楠の大輪を堀り出して、参道の今井区に組み立てる古式豪壮なものである。
 連歌奉納は、今では全国で唯一ここだけに生きつづけている法楽神事である。
(「境内案内板」より)

「境内案内図」「今井祇園行事」「元永山笠」案内写真はこちらで

神社入口に立つ鳥居
鳥居に架かる額
「須佐神社・大祖大神社」
入口右側に祀られる猿田彦大神
参道と下の境内の様子
下の境内にいる建立年代不明の狛犬
倒立と起立の一対です。お年の所為か吽は限界が来たのでしょうか、杖にすがるような感じで、でも一徹に立っている姿が、又、素晴らしいですね。
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下の境内にいる明治33年生まれの狛犬
この狛犬達も倒立と起立の一対です。雌雄の別があり、明治も後半に入り、大分洗練された姿形になっています。
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(今津 石工・辻傳平 明治33年(1900)3月建立)
石段参道入口
石段参道入口の玉垣後ろにいる明治34年生まれの狛犬
鬣の渦が大きく滑らかな狛犬で、スマートな体型な女性的な感じがする狛犬です。
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(明治34年(1901)9月建立)
石段参道途中に立つ鳥居
石段脇にいる文政6年生まれの狛犬
吽には角があり、顔の大きさに比べて口の大きな狛犬で、楽しそうに笑っています。
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(文政6年(1823)癸未11月吉日建立)
石段参道
石段参道を上がると、正面に城壁のような石垣の上に建つ回廊が見えてきます。この石垣からこの社は城跡に作られたのかと思いましたが、明治20年代に山口県大島郡の河野佐吉が石工棟梁として神社の為に築いたそうです。
参道は左に曲がり、一旦平地となります。
石垣下の参道にいる文久2年生まれの狛犬
姿の良い浪速狛犬です。エンジェルの羽根のような脇毛が可愛いです。
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(文久2年(1862)壬戌8月吉日建立)
境内へと上がる最後の石段
境内入口
境内右側の回廊
境内左側の回廊と参集殿
境内の様子
双殿造りと呼ばれる、2つの社を1つの拝殿で繋ぐ珍しい形式の拝殿
向かって左・須佐神社、右・大祖大神社
双殿造りの拝殿左側に祀られる須佐神社
須佐神社唐破風下の彫刻
須佐神社目貫彫刻・龍
須佐神社木鼻・雲の上の鷲?鷹?
須佐神社を護る木製神殿狛犬
彩色が良く残り、厳つい顔の、力強く堂々とした狛犬です。
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須佐神社本殿
境内社 絵馬殿