香春(かわら)神社

田川郡香春町香春733(平成22年4月3日)

東経130度50分32.83秒、北緯33度39分51.91秒に鎮座。

 この神社は香春駅の北西約700m、香春小学校の西約300mに鎮座しています。私達がこの社の参拝をしたのがお昼の12:30。無風状態で気温も上がり、下の境内でも、社殿の建つ上の境内でも、円座を組んでのお花見の真っ盛り。皆さんとても楽しそうでした。
 入口に立つと桜を透かして社地の後方に香春岳が聳え、桜並木が参道奥までずっと続いているように見えます。それらの全ての花が今まさに満開の体を為し、参拝者で無くとも足を向けたくなる素晴らしい光景の中、「縣社香春神社」と書かれた社号標と一の鳥居が立っています。私達もブラブラと歩きながらのお花見をしていると、最初の石段上に狛犬がいました。文政3年生まれで人間と一緒にお花見を楽しんでいそうな笑い顔の狛犬です。
 その後、参道は200m程緩やかな石段が続きますが、境内前では神池に架かる神橋を渡ってから最後の石段を上がります。境内に上がると眼前には左右に回廊が広がり、回廊を割るように拝殿への石段参道が造られています。唐破風を付けた大きな拝殿の後ろには三間社流造の本殿。本殿軒下には非常に整った姿態の堂々たる狛犬がいました。
 境内右には神の宿る「山王石」と案内があるる大きな岩が有りますが、これは昭和14年に山頂から落ちてきた岩だそうです。境内に居られた方がその当時の事を覚えていらして「田圃で遊んでいたら大きな音がしたので山を見たら、地響きを立てて大きな石がドン・ドン・ドンと落っこちてきていたよ。でも不思議なことに、神社には何の被害もなくて、この場所で止まってくれたんだよ。あのまま下に落ちていたらきっと人家に被害が出ていたよ。あの時のことは今でも忘れられないよ。」とおっしゃっていました。奇跡のような事は起こるのですね〜。
 又 境内には、多数の境内社も祀られています。
 桜が一段と趣を増していることは事実ですが、それだけでなく、この社の佇まい全てが清々しく、地域の方々の崇敬の念が伝わる神社でした。

 御祭神:第一座・辛国息長大姫大目命、第二座・忍骨命、第三座・豊比売命
 祭礼日:5月5日 ・例祭
 境内社:白八稲荷大明神、山王神社、天福神社、諏訪神社、蛭神社子
 由緒:当神社は前記三柱の神を奉斎せる宮祠にして、遠く崇神天皇の御宇(紀元前97年2月17日〜29年1月9日)に創立せられ、各神霊を香春岳上頂三ケ所に奉祀せしが、元明天皇の和銅2年(709)に、一之岳の南麓に一社を築き、三神を合祀し香春宮と尊称せらる。
 延喜式神名帳に在る、豊前一の宮六座の内の三座なり。
 明治4年9月郷社に列せられ、香春神社と改称し、明治6年7月15日縣社に列せられ今日に至る。

社頭
後方に見える山が香春岳です
入口に立つ一の鳥居 社号標
「縣社香春神社」
参道の様子
最初の石段上にいる文政3年生まれの狛犬
彫りが深く、大きな顔と造作の、どっしりと落ち着いた堂々たる狛犬です。阿吽の位置が反対ですが、後ろにいる花見客と一緒に、お花見を楽しんでいそうな狛犬ですね。
狛犬の拡大写真はこちらで
(文政3年(1820)庚辰9月建立)
参道脇に聳える御神木
石段参道
御神木前にいる昭和7年生まれの狛犬
これも阿吽の位置が反対です。かなりデフォルメしてありますが、この狛犬も穏やかで楽しげな表情をしています。
狛犬の拡大写真はこちらで
(昭和7年(1932)4月吉日建立)
参道途中に立つ二の鳥居
石段参道
三の鳥居
ここからは幅の広い穏やかな石段となります
境内前、神池に架かる神橋
境内入口
境内に上がるとすぐに眼前に広がる左右の回廊(パノラマ写真)
回廊の間を通って拝殿へと続く石段参道
拝殿前から見る左右の回廊
拝殿
拝殿向拝下彫刻
長押上の波乗りウサギさん
拝殿木鼻・狛犬と象
三間社流造の本殿
本殿妻彫刻はこちらで
本殿軒下にいる狛犬
建立年代は不明ですが、非常に整った姿態の堂々たる狛犬です。
狛犬の拡大写真はこちらで
神の宿る「山王石」 磐座

境内社:白八稲荷大明神
境内社:山王神社 境内社:天福神社、諏訪神社、蛭神社子
地蔵堂と仏様達
境内右奥に聳える御神木・大楠
境内から参道を振り返る