惣社八幡神社

京都郡みやこ町惣社(平成22年4月3日)

東経130度59分07.02秒、北緯33度40分54.83秒に鎮座。

 この神社は豊前国政庁跡の南西に隣接して鎮座しています。境内周囲には鎮守の杜がありますが、神社入口付近は遮る物が無く、明るく清々しい佇まいの神社でした。沢山の灯籠が建ち並ぶ参道を行くと、二の鳥居が立ち、神橋を渡ると境内です。境内周囲の木々に中には桜も混じり、緑の中の淡いピンクがとても綺麗でした。
 境内正面には入母屋造りの拝殿と、流造りの本殿が建立され、境内社も二社祀られています。

 御祭神:仲哀天皇、仁徳天皇、大己貴命、少彦名命、応神天皇、神功皇后、句々能知命、水波能賣命
 祭礼日:不明
 境内社:百体社、貴船社
 由緒:この神社は、古代において、豊前国内に鎮座するすべての神々を集めて祀ったことに由来する神社で、隣接する豊前国府との関わりも深い神社です。
 古代の地方行政単位「国」の長官として中央から派遣された「国司」が、任地に赴任後、最初に行うのが、国内に鎮座する神々を巡り、平安を祈願することでした(国司巡拝)。しかし、平安中期以降はその労を省くため、国府に近い場所に国内神社の神々を「総て」集めて祀る神社を設け、それを参拝することで巡拝に代えるようになりました。これが惣社(総社とも表記)で、神社の名称はこのことに由来しています。
 元来は当地の地神を祭っていたと思われますが、平安時代に八幡神を祭るようになったものと思われます。そしてこの八幡社に惣社を合祀したため惣社八幡となったのでしょう。なお、近年の数回にわたる発掘調査によりこの神社の北東に豊前国衛の所在したことが確かなものとなりました。豊前国衛の所在に関して諸説もありますが、この惣社八幡の存在も国衛の国作説の根拠の一つとなっています。
 明治時代の社格では旧郷社となっています。

神社入口 一の鳥居
神社入口にいる狛犬
参道の様子
参道途中にいる昭和18年生まれの玉乗り狛犬
玉乗りですが、とても優雅な感じがします。第二次大戦中のこの時期に、良くこんなに素晴らしい狛犬が出来たものと、感心しました。
狛犬の拡大写真はこちらで
(昭和18年(1943)建立)
参道途中に立つ二の鳥居
境内入口に架かる神橋
境内の様子
拝殿
本殿
境内社:百体社 境内社:貴船社