稲築(いなつき)八幡宮

嘉麻市漆生(平成22年4月4日)

東経130度43分20.22秒、北緯33度34分58.88秒に鎮座。

 この神社は211号線沿いに鎮座しています。誤植のためか、どの地図にも「稲葉神社」と掲載されています。
 神社入口には「八幡宮」と書かれた額が掛かり、大きな灯籠の上には狛犬が居ますが、残念ながら、左の灯籠上には見当たりません。玉垣上の社号標には「村社稲築八幡宮」と書かれ、ここにも、この地に良く見られる狛犬が奉納されています。
 石段参道途中には古そうな二の鳥居、参道が平坦になると三の鳥居が立っています。参道は途中で右に曲がり、四の鳥居を潜ると境内へ上がる最後の石段。境内入口には出雲と広島の複合タイプで一対を為す珍しい狛犬がいます。境内中央奥には、入母屋造り唐破風付きの拝殿と、流れ造りの本殿が建立され、境内には末社や石碑が多数見られます。

 御祭神:応神天皇、神功皇后、玉依姫尊
 祭礼日:7月24日・神楽、10月10日・獅子舞
 境内社:数社
 由緒:八幡宮縁起の記録に、神功皇后が応神天皇とともに宇美から都へお帰りになる途中漆生にお立ち寄りになり、村人たちは大急ぎでお迎えの用意をしましたが座布団が間に合わず、ちょうど穫り入れたばかりの稲を築き上げその上に座っていただきました。
 その後、風景の優れた山の頂上を七尺ばかり掘り、その時に座られた稲を埋め、その山を稲築山と呼び、稲築と号して社殿を建立しました。この社殿が稲築八幡宮のおこりで、稲築(いなつき)の地名の起こりといわれています。

社頭 一の鳥居 鳥居に掛かる額
石段参道入口
灯籠の上にいる狛犬
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社号標
「村社稲築八幡宮」
神社入口に架かる神橋
玉垣後ろにいる明治41年生まれの狛犬
上腕筋の発達した逞しい狛犬です。吽は小さな玉を踏みつけ、誇らしげに胸を張っています。垂れ耳で、猫のような鬚を付け、鬣や尾にボリューム感があり見応えがあります。
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(明治41年(1908)5月建立)
石段参道途中に立つ二の鳥居
二の鳥居からの石段参道
参道が平坦になると三の鳥居が立っています。
参道は突き当たり、左に曲がると鳥居が立ち、境内への石段があります。
四の鳥居
境内入口
境内の様子
境内にいる昭和11年生まれの狛犬
阿は構え、吽は玉乗りの、出雲と広島の複合タイプです。昭和11年ともなると石工さんも他地域の狛犬の意匠を模倣、自分なりの狛犬を造り始めたのでしょう。
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(石工・長尾壹太郎 昭和11年(1936)6月吉日建立)
拝殿
三間社流造りの本殿
本殿木鼻・狛犬
本殿妻を支える力士さん
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境内社 守護鬼門碑
境内社 境内社
境内社 境内社
高大神社 猿田彦大神
遥拝所