加茂神社

小浜市加茂 (平成22年7月26日)

東経135度50分03.05秒、北緯35度29分07.67秒に鎮座。

この神社は、JR小浜線・新平野駅の北東2.5km程の辺り、若狭町に近い小浜市加茂に鎮座しております。集落との山境にあるこの神社は巨木が生い茂り、緑に囲まれた自然豊かな神社です。

完治4年(1090)朝廷の寄進により、賀茂別雷神社(上賀茂神社)の社領として立庄した宮河庄(賀茂庄)、加茂の里に鎮まる加茂神社は地方の大社で、鎌倉時代には若狭国鎮守大明神十社の一つに列し「賀茂下上大明神」と崇拝された社である。この「賀茂下上」とは立庄後、本社、上賀茂神社の神霊を分遷して建営の社(現、加茂神社)を下宮とし、その前方「森の宮」のうっそうたる樹叢中に、古代祭祀の姿を止める「神籬、磐境」を先住神、上宮として一社二宮の制をとったものである。
 この「神籬、磐境」(磯城神籬)は厳重な禁足地で、横幅4.5m、総縦長さ6mの長方形を自然石の数段組で囲繞し、前面の井垣を配する供献台の奥行は 1.6mで、供献台の内部のみ盛土するが、神地は盛土なく椿、榊などが神籬として群生し、正中線は真南を指向する。付属施設は鳥居と石灯篭各一基の献備である。
 この社叢中には毎年の旧暦1月16日に「上宮神事」として斎行される年占の種物を埋納する聖処がある。
 社叢はこの神地を中心に、第一層(高木層)には、タブノキ、スダジイ、スギ、ムクノキ。第二層(亜高木層)には、ヤブツバキ、タブノキ、カゴノキ。第三層(低木層)には、ヤブツバキ、アオキ、ハイイヌガヤなどが生え、林床には、フユイチゴ、ヤブラン、ベニシダ、オニカナワラビ、イノデなどの植物がみられる。
 本社叢は他の指定社叢に比べ、規模の小さい難点はあるが、老樹巨木の覆う鎮守の社と、稀有の遺例ともいえる古代神社が、ともに原形を止めるところに貴重な価値があり、永く保存して子孫に伝えたいものである。
旧、わかさ小浜のデジタル文化財より。

上記の「上宮神事」は一般には「芽立ち神事」といわれ、県の無形民俗文化財に指定 されている神事で、土中に埋めた色々な木の芽を入れた木箱を掘り出し、その年の豊作を占うというものです。

参道に立つ社号標

社号標等

神社遠景

神社入口

入口を護る出雲丹後。拡大写真はこちら。

(大正15年(1926)11月建立)

参道と二の鳥居

神楽殿

鞘堂

本殿正面


稲荷神社・多賀神社・天満神社・二十三神社

春日神社・天照皇大神宮・八幡神社

不明の末社


小浜市指定文化財の大杉