飯尾寺

長生郡長柄町山根821(平成20年3月2日)

東経140度14分25.49秒、北緯35度26分50.31秒に鎮座。

 このお寺は顕本法華宗の寺院で山号は威王山といいます。
 創建年代等については不詳ですが、もともとは鎌倉時代から室町時代にかけてこの地方を領した飯尾氏が建立した仏堂に始まると見られ、南北朝時代の僧で法華宗妙満寺派(現在の顕本法華宗)の祖日什(1314〜1391)が開山となり妙満寺派の寺院となったと伝えられています。
 国指定文化財・木造不動明王坐像(鎌倉時代末期)、町指定文化財・狛犬、本堂欄間彫刻、梵鐘があります。
 神社ではないのですが、千葉県下最古の狛犬がいるので参詣させていただきました。

「木造不動明王坐像」案内はこちらで

入口山門
境内への石段 本堂
本堂正面
本堂内、欄間彫刻・龍(町指定文化財)
 龍は仏法守護の八部衆の一つで、特に不動明王を本尊とする寺院の境内などには良く見られます。
ここ飯尾寺の欄間彫刻は「波の伊八」と呼ばれる安房の名工・武志伊八郎伸由の晩年の作で、円熟した技巧が十分に発揮されています。伊八の彫刻は後世「関東では波と龍を彫るな」と言われるほど、波涛の力強いうねりを現した傑作が多く見られます。
 
寛文10年(1670)生まれのはじめ狛犬
この狛犬は町指定文化財で、千葉県下では在銘が確認できるものとしては最古のものと言われています。この在銘は首から胸もとにかけて沢山書かれているのですが、私には殆ど読み取れませんでした。
所謂はじめの進化系で、この時期のものとしては埼玉県川越市の仙波東照宮に続いて、洗練されているのではないでしょうか? 尾の端はワラビのように先が巻き、中央は狐のように太く薄く背に張り付き、鬣は短く、先端でカールし太く纏められています。潰れた上向き顔で、意志の強そうな太い眉毛と鋸歯が目立ち、背中には円の模様が沢山付けられています。素朴な彫りではありますが、前足を踏ん張り、力強く胸を張り、如何にも伸びやかな良い造りの狛犬です。
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(寛文10年(1670)建立)