鶴谷八幡宮

鶴谷(つるがや)八幡宮

館山市八幡 (平成17年3月6日)

この神社は、養老元年(717)建立。安房の国の神々を集めて祀った安房国総社として国府の地(三芳村府中)に創建されたことに始まります。安房国一の宮安房神社を始め年に一度、国内諸社が参集して盛大な大祭が開かれ、総社としての格を誇っていましたが、源頼朝が幕府を開いて諸国に守護・地頭を設置するようになって以降、国司の権勢は衰え、総社の崇敬も衰退し八幡宮と改称され今日に至りました。鎌倉時代以降武士の尊崇篤く、源頼朝が安房国から再起する際に祈願したとされ、また源実朝や、八犬伝で有名な里見氏も代々この社の大旦那として、安房の国の統治者として社殿造営を行い、尊崇してきたといいます。現在の本殿は1721年(享保5年)に造営され、1923年(昭和51年)に改修されたもので、館山市の文化財に指定されています。御祭神は品陀和気命(応神天皇)帯中津彦命(仲哀天皇)息長帯姫命(神功皇后)の3神です。
単に館山市にある八幡宮としか認識していなかったので、参道に降り立つと思いもかけず立派で、やはり総社の格が感じられました。拝殿向拝の天井の百態の竜の彫刻は、房州の名工後藤利兵衛義光の作で館山市の文化財に指定されています。長い参道、広大な社地、立派な社殿、彫刻、大振りの狛犬、私達が何時も参拝している神社とは別格な世界でした。

(文政3年(1820)8月吉日建立)

【鶴谷八幡宮の例大祭】
毎年9月14・15日に行われ、その昔の国司祭が今日まで続いているもので、千年余りの伝統を誇る南房総最大級のお祭りです。
八幡宮の境内では14日に安房国南部10の神社の御神輿の入祭が、翌15日には市内5町の山車・お船の入祭と八幡宮で一夜を明かした10社の御神輿の還御、そして八幡宮の御神輿の御浜出を見ることができます。(観光案内より)

神社入口、明神大鳥居

二の靖国鳥居と未だ続く参道

大きくて太めで筋肉隆々、そのくせ可愛い顔で、もろ私好みの狛犬です。

向拝天井の龍の彫刻に
目を見張る拝殿

適度に彫刻が施してあり
落ち着いた感じの本殿
館山市の文化財に指定されています

境内社・若宮八幡社
この規模でも普通は一社になり得ます

樹齢を重ねたご神木

南安房が輩出した名工、初代・後藤利兵衛作、百態の竜。

神事、文化財の案内と狛犬の拡大写真はこちらで