鷹之島弁財天

館山市富士見(平成21年10月10日)

東経139度50分39.11秒、北緯34度59分12.76秒に鎮座。

【神社情報・「S・Mさん」から】
 千葉県館山市に在住のものです。大変、興味深く拝見させて頂きました。
 千葉県房総地域は面白い神社が多数あります。その中でも鷹の島弁財天は特に興味深いです。ここには館山航空神社にあったという飛行機が彫られた手水が有ります。
 と言う情報を戴きました。(平成21年9月26日)

 そこで、ちょうど10月の連休にサイト管理人・妻の方が、「親孝行旅行」と銘打った実家の親や姉妹と南房総旅行を計画していたので、こちらの神社への参拝を組み入れて貰いました。
 神社は館山港の西外れ、海上自衛隊館山航空基地の北東に隣接して鎮座しています。周囲は鷹ノ島公園として整備され、未だ豊かな森が残されています。その一画に真っ白い鳥居が建ち、「鷹之島辨天閣」という社号標が立っています。境内へは石段の参道を上がっていきますが、その途中には昭和11年生まれの江戸流狛犬がいます。上に上がると広場の一画に玉垣が作られその中に社殿が建立されていますが、老朽化のため屋根にはシートが掛けられていました。瓦屋根の上には珍しい漆喰の龍の細工物があるのですが、半分見られなくて残念でした。手水は境内入口右手直ぐにあり、未だ飛行機の紋がくっきりと浮かび上がって見えます。社殿の扉は自由に開けられ、中に三本殿が祀られてあります。社地の所々には樹齢が古そうな木々が数本健在で、潮風に吹かれながらも勢いの良い姿を見せていました。

 御祭神:市杵嶋姫命
 祭礼日:大祭・5月
 由緒:平安時代、永長2年(1097)安房の国司・源親元公が沼の総持院を建立した際、総鎮守として沼の天満神社、他に高ノ島に多賀之嶌弁財天、沖ノ島に宇賀明神を建立したのが始まりだそうです。
 昭和5年に鷹之島を含む海上部分を埋め立てて海軍館山航空隊が開隊され、以来、鷹之島の住民と基地の守り神のような存在となっています。
 詳しくは「1000年の歴史ある鷹之島。広く皆様に愛されるイチキシマヒメノミコトを祀る鷹之島弁財天」でどうぞ。

平成25年1月13日、「狛犬小僧」さんも参拝されたようで、追加情報を戴きました。後に追加してあります。

社頭
入口の靖国鳥居 社号標
「鷹之島辨天閣」
石段の参道の様子
石段参道途中にいる昭和11年生まれの江戸流狛犬
阿吽共に頭頂部がやや出っ張っています。この時期の狛犬としては凄みのある顔つきで、鬣や尾が装飾的で良い造りをしているのですが、いかんせん口中に塗られた朱が異様に目立ち、この狛犬の良さを台無しにしているような気がします。夕方のやや薄暗い中での参拝でしたので、今まさに生肉を食べ鮮血を滴らせているように見え、チョッと薄気味悪く感じました。
狛犬の拡大写真はこちらで
(昭和11年(1936)1月23日建立)
境内の様子
戦時中に館山に基地をおく航空隊が奉納した、飛行機が紋のように彫られた手水鉢
拝殿
拝殿前にいる昭和32年生まれの江戸流狛犬
阿は玉に手をかけ、吽は子狛が前脚にかぶりついています。熊のような力強い狛犬です。
狛犬の拡大写真はこちらで
(昭和32年(1957)5月建立)
本殿と左右脇社
 
御神木

【神社情報・「狛犬小僧」さんより】
神社かと思って立ち寄ってみたら、弁財天でした。既に狛犬見聞録ではS ・Mさんが報告済みですが、拝殿の屋根修復工事が終わっていたのと、狛犬さんの首輪も新調されていましたので、報告致します。また、古い記録では鷹の島ではなく、多賀之島だそうだ。

明治三十三年製手水石
奉納錨 波きり不動
不動尊祠 御本尊

修理を終えた拝殿

神額

左右の木鼻

開花した櫻