海南刀切(かいなんなたぎり)神社

館山市見物788(平成17年3月6日)

この神社は館山市から洲崎方面へ南安房公園線で向かうと、右手数段の階段の後ろに赤い鳥居が見え、とても分りやすい場所にあります。道を挟んでもう一つの神社、船越鉈切神社が有り、元は一つの神社で同じ豊玉姫命を祀っていましたが、今の御祭神は刀切大神です。本殿裏には二つに割れたような巨石があり、神様が船から上陸した時道を通すため手斧で割ったとか、人々を苦しめる大蛇を鎮めるため蛇の住みかである紫ノ池の水を抜こうとして、鉈で切ったと言い伝えられています。江戸期の狛犬や拝殿の彫刻が素晴らしい神社でした。又毎年7月に行われる「かっこ舞」は市の無形文化財に指定されています。

(天保10年(1839)5月吉日建立 
 楠見村、石工・田原長左衛門 京橋石川屋 彫工・兼吉)

【かっこ舞(船越鉈切神社・海南刀切神社)】 
船越鉈切(ふなこしなたぎり)神社と海南刀切(かいなんなたぎり)神社を合わせて鉈切神社と呼んでおり、それぞれの例祭で奉納される雨乞いのための獅子舞です。かっこ(鼓)3人、ササラ4人、笛太鼓数人で舞うもので、花笠をつけた4人の少女はササラをすり鳴らして雨を呼び、獅子頭をつけた「かっこ」は腰のかっ鼓を打ち鳴らしながら踊ります。ともに市の民俗無形文化財に指定されています。この舞は、毎年両神社に奉納されます。

朱の明神鳥居と境内全景

彫刻の見事な社殿

とても理知的で思慮深そうな名品の江戸狛犬

【明治の名彫刻師 安房郡北條村彫工 後藤庄三朗忠明と
             門人与之吉、米吉の手になる拝殿の彫刻の数々】

数多の木鼻を見てきましたが親子連れの物は初めてです。

後藤派は龍の彫り物が得意ですが
此処の物は3匹の親子龍で特に迫力が有ります。

拝殿の羽目板にも天の岩戸伝説と
スサノウの命の大蛇退治の彫刻が施してあります。

灯籠には3匹の狛犬のレリーフが

力石
その昔、漁師の若者達がお互いの力自慢をしたのでしょう

「かっこ舞」案内と狛犬、彫刻の拡大写真はこちらで