日枝神社

市原市安須(平成20年3月2日)

東経140度7分4.39秒、北緯35度27分1.44秒に鎮座。

 この神社は養老川左岸に鎮座しています。
 里から高坂方面に坂を上がる途中に入口があり、遠目にも石垣の上に石の明神鳥居と、良さそうな狛犬の姿が見えました。ただ、境内へはとても急な石段が続いているので、入口で躊躇していると、石段を掃き掃除しながら降りてくるご婦人方がいました。ここを歩いて登りたくないと思い、何とか上の境内へたどり着く他の方法はないかとお尋ねした所、「此処を大変な思いで上がるからこそいっそうありがたく思い、御利益があるのです。階段は4層に分かれていて下の方は急ですけれど、上へ行けばもっと短いし、楽に上がれますよ。」と説得され、単細胞の私は「それもそうかな?」と考えが変わり、百段ほどの石段を上がっての参拝となりました。
 境内正面には拝殿が建ち、拝殿内に一間社檜皮葺流造の優雅な本殿が納められています。周囲は豊かな鎮守の杜に囲まれ、子安神社などの境内社が点在する清々しい雰囲気で、木々の間からは安須の町並みが遙かに見渡せる絶好のポイントでした。
 又、余談ですが、ご忠告に従って汗を流した成果でしょうか?早速ありがたい御利益があり?今回の旅の目的の一つでもあった蕗の薹が参道脇の傾斜地に出ていたので早速摘ませていただき、翌る日の我が家の食卓に「蕗味噌」としてのぼりました。ほろ苦い春の香りと味が何ともいえず美味で、我が家は少し早い春の訪れを味覚で感じたのでした。

 安須地域の産土神で、御祭神は大山咋神と思われますが、案内が無く、勧請年月・縁起・沿革等は全て不明です。

神社入口
嘉永2年(1849)生まれの江戸流れ狛犬
阿は子狛を連れ、吽は玉を持っています。耳垂れの穏和な顔つきで、上半身が豊かに造られており、鬣が大きく渦を巻いていたり長くウェーブさせたりと派手目な表現をしています。
狛犬の拡大写真はこちらで
(石工・佐吉 嘉永2年(1849)9月吉日建立)
入口の明神鳥居 入口から見上げると
目眩がしそうな急な石段です。
長く急な石段の下部 石段中部
やっと石段上部にたどり着きました。 石段上部から振り返る
拝殿
一間社檜皮葺流造の本殿
境内社三社 境内社:子安神社
富士嶺大神 不動像
境内から見える安須の町並み