川口神社

銚子市川口町(平成18年3月4日)

 この神社は254号線でポートタワー方面に向かうと、川口町信号角に鎮座しています。利根川河口の丘の上に鎮座し、境内に登ると河口と鹿島灘を一望できる、極めて眺めが素晴らしい古社でした。
 寛和2年(986)に創建され、現在の御祭神は速秋津姫命です。明治3年までは白紙明神と呼ばれ、これは安部清明縁の延命姫の悲しい伝説から名付けられた様です。その伝説とは、昔、銚子近在に顔の醜い延命姫という娘がいましたが、安部清明と夫婦になったものの、嫌気が差した清明が海で偽装入水したのを本気に受け取り、姫も後追い自殺をしてしまいました。そこで川口に流れ着いた姫の歯や櫛をこの岡に埋め祠を建て、歯櫛明神としてお祀りし、そこから白紙神社と転化したのだといわれています。(きらっせネット歴史館参照)
 地元の漁港関係者からの信仰が厚く、川口を出入りする漁師の守り神として、またあざ除け祈願や、櫛や鏡を奉納して祈願すると美人になると言われ、男女を問わず崇敬されているようです。
 本殿の流れ造りの屋根は優雅で、その三面に彫られた狛犬達は素晴らしい出来映えです。参道、境内には4対の石造狛犬が居ましたが、神輿倉のしょうわ狛犬を除いては、優しげな良い顔つきの狛犬達ばかりでした。また、境内に登る途中の両側に「海亀之霊」という文字碑が沢山並んでいるのも如何にもこの地の神社に相応しいように思いました。

社号標 神社入り口
はじめは平坦な参道です 境内への登りとなる参道
参道途中にいる狛犬。
台座は昭和11年建立とありますから、昭和32年に壊れた先代の変わりに、
今の狛犬が奉納されたのでしょう。嬉しいことにしょうわ狛犬ではなく、
先代を模した様な味のある狛犬が奉納されています。
やけに寝た感じの太めで可愛い子達ですね〜。
(昭和11年8月1日建立・台座
昭和32年旧6月15日銚子機関士会奉納)
境内に登る階段途中の両側には「海亀之霊」という文字碑が沢山並んでいました。
講話記念文字碑 境内からの河口の眺め
境内には文政3年(1820)生まれの穴あき狛犬が居ました。
この子達も太めでまったりした感じです。建立されてから190年弱も経つのに、
鬣や尻尾の線も綺麗に残り、かなり保存状態の良い狛犬です。
(文政3年(1820)建立)
建立年代不明の構え・逆さ狛犬。
こちらの方が新しいと思われますが、石の材質の加減か、風化が見られます。
堂々とした感じですが、それだけに動きが鈍いように見えてしまいます。
拝殿 本殿
拝殿の木鼻狛犬。凄い迫力に圧倒されてしまいました。
本殿の浮き彫り狛犬・六態。それぞれに変化があり、素晴らしい出来映えです。
本殿の木鼻狛犬。
名称不明の境内社・二社
神輿倉 手水舎
境内に咲いていた可憐な水仙と紅梅
神池に泳ぐ鯉