白瀑(しらたき)神社

山本郡八峰町八森 (平成18年7月25日)

東経140度2分29.61秒、北緯40度20分10.73秒に鎮座。

 この神社はJR五能線・東八森駅の北東約1kmに鎮座し、国道101号線から白滝川に沿って東に入り400m程進むと左手に一の鳥居があります。そこから更に400mほど行くとやっと境内という、かなりの規模の神社です。
 「縁起」によれば、仁寿3年(853)に慈覚大師円仁が当地の滝に霊性を見出し、自ら彫った不動尊像を滝の北方岩上に安置し、国土安全を祈願したのが創建と云われています。中世には当地周辺では修験道が盛んとなり、藩主・佐竹公の崇敬も篤かったようです。江戸時代の紀行家・菅江真澄も二度も参籠しています。本尊の不動尊は滝峰山不動院、白雲山正覚寺、瀑峰山不動院、瀑峰山天竜院、更に天竜寺と受け継がれていきましたが、明治になり白瀑神社と改め、旧・八森村内の30社が合祀されました。
 現在の御祭神は火産霊神、埴山姫神、天照皇大神、 建速須佐之男命、大山積蛭子神、羽黒大神です。
 ここが私達の今回の神社巡りの旅・最北の地となりました。

社号標 400mも手前に建つ一の鳥居
神橋 境内入口
年代不明、砂岩製の狛犬。
ここの狛犬は耳が短く前脚に関節を表現した独特の節のようなものがあります。
吽には小さな角があり、全体的に柔らかさが感じられ、整った容姿です。
森の緑にとけ込んだような拝殿 拝殿の額は亀の甲羅で出来ています
拝殿の木鼻狛犬は牡丹の花を咥えたお洒落者です。
社名・白瀑に恥じない拝殿の波の彫刻 拝殿内の様子。
ここも欄間には波の彫刻が。
流造の優雅な本殿 境内社

これが社殿裏にある、白滝川から蕩々と流れ落ちる高さ約17mの男滝、女滝です。8月1日に行なわれる白瀑神社例祭はこの滝壺に神輿が入る渡御祭で、全国で唯一、滝壺に神輿が入る勇壮な神事として大変有名になっています。戦前、担ぎ手があまりの暑さに耐えかね、境内の滝つぼに入ったのが始まりといわれる奇祭ですが、朝7時、当番町の男衆たちが白装束でみこしを担ぎ町内を練り歩き、正午過ぎに、高さ約17mの男滝・女滝の滝壺に入り、五穀豊饒、海上安全などを祈願します。後付とは思いますが、この神輿の滝浴びには、禊祓いの意味もあるといわれています。