男鹿市野石(平成18年7月26日)
この神社は国道101号線の野石公民館前に鎮座しています。
鳥居と社殿があるだけの神社ですが、ここは江戸時代末期から明治時代に生きた石川理紀之助(1845-1915)翁を祀っています。理紀之助翁は老農(特に明治期、経験に富み、指導的役割を果たした篤農)で、農民を啓蒙し、更に信頼され尊敬された人物です。ここでは理紀之助翁の着用した脚絆が祀られています。
今回秋田で随分個人を祀る神社を見てきましたが、東北・北陸の日本海側沿岸地方の農民は、今日見られるような一面の水田地帯となる前には、冷害、水害、風砂、土壌問題などで長い間苦しんできました。それを江戸中期以降明治大正時代あたりまでに、偉大な指導者の下で懸命な努力と苦労をして、今見られるような美田を造り上げたのです。その指導者が神として祀られているのですね〜。是が本来地域に根ざした神の姿で、日本の神々の原型もこの辺りにあるのではないでしょうか。いや〜、神社を見ていると、この年になるまで知らなかった、色々なことが分かるようになりました。
神社全景 | 社殿 |
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